【ポケモン】旅の途中で【短編集】 (ページ13)

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恋敵ページ13

＊Aちゃんが大好きな2人。
＊グリーンさんとレッドさん

▼Aちゃん視点

Aは一つ、重い溜息をついた。
何故ならば右腕にはグリーン、左腕にはレッド...が抱きついているのだから。

別に彼らとは付き合っているわけではない。
ある日を境にコロッと変わってしまったのだ。
まるで人が変わったかのように。

恐怖と疑問を抱えつつ自分の両腕に抱きつく二人を見るとグリーンは

"絶対...あいつには渡さねぇからな"と呟く。
グリーンの言うあいつと言う人物に疑問を覚えた。

Aが"あいつって誰なの？"と少し震えた声で聞いた。
グリーンは一瞬レッドの方を向いた...気がした。
その刹那グリーンはにかっと笑い"さぁな！"と言いAの頭を撫でて行ってしまった。
...いつもならもっと抱きつくのにとAは思った。

右腕の重さから解放されたA。
ふと左腕の方を見ると、ジリジリとAを睨む赤銅色の双眸。
その双眸と、目が合いAが息を呑むとレッドはAの左腕から離れ、ぎゅうっと正面から抱きついた。

恐怖か、動揺かAが固まっているとレッドは言った。

"最近、ぼくたちの様子がおかしいって思ってるよね"

凛とした声でレッドはAに言った。
図星をつかれたことに驚きつつこくりと頷いた。

"...ぼくとグリーンはAが好きなんだよ"

優しく、優しく微笑んで言った。
ぎゅうっと、抱きつかれていた体温が無くなっていく。

Aの頬に優しくちゅっとキスをし、"また、明日ね"と部屋を出て行った。

キスされた頬はまだ少し火照っていた。