シャングリラ【吉沢亮】 (ページ6)

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結局、家の前まで送ってもらえた

『Aちゃんは夏休みの予定立てた？』
「まだ…」
『俺はまだまだほど遠いなー。高校生の夏休みの中盤ぐらいから夏休みだし』

あぁ…大学生は夏休みが遅くて長いのか。
いいなあー

『花火大会は？』
「行きます、初日に」
『じゃあ見かけたら声かけるね。』

花火大会の初日
吉沢君はサークルの皆と集まって行くそうだ

…大学、サークル。

私の知らない世界の話

私は知らなくて、お姉ちゃんや吉沢君は知っている

『じゃあ、またね』
「…アイスありがとうございます。プチ贅沢分けてもらって。」

『次は目当てのあるといいね。』

溶け切ったパピコは
チョココーヒーのドリンク。

コーヒーだなんて書いてるけど、私は飲めない。
チョココーヒーを喉に通した時
私は大好きなチョコレートと飲めないコーヒーが混ざっていて

大人のような、子供のような
どちらか分からない味

『じゃあね、Aちゃん』

夕陽が沈む間際のあの瞬間

今でも覚えている

優しく微笑む貴方の笑顔がオレンジ色に染まる風景の中で、輝いていたこと

「…うん。」

真夏の蒸し暑さとは違う

内側から熱が溢れるこの感じ

高校一年生の夏

私は出会ったばかりの彼に恋をした