シャングリラ【吉沢亮】 (ページ4)

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episode4 ページ4

翌日
昼休み、ゆりちゃんに話すと目をかっ開いて驚いていた

ゆり:え？え？つまりその人と付き合うの？
「何でそうなんの。でも良い人だった」
ゆり:でもイケメンなんでしょ？えーっいいなぁ

でもあんなに顔が綺麗で優しいのに彼女いないの、確かに不思議…

ゆり:でも良かったね。一歩前進ってやつ？
「んー…そうなるといいんだけど」
ゆり:じゃ、行くっしょ？

…というわけで
私も来週のS高と遊ぶことになった

ゆり:でも吉沢さんって人なかなか好感度高いね～
「ん？」
ゆり:いるじゃん、カメラアプリで動物で撮った自撮りアイコンとか友達と映る自分の写真の人とか。イケメンってさすが承認欲求無いんだね～

…どこまで見てんだ、ゆりさん。

・

ユキ:あ、亮ー！
『あぁ、おはよう』

ユキ:昨日は本当ありがと！変なこと頼んでごめんね？

『全然。ユキより遥かに良い子じゃん。だいぶひねくれてるけど』
ユキ:あーすぐそういうこと言う～もー

『はは、冗談。怒んなよ』

・

私の姉は、天然だ。
天然のたらしとも言えようか

それは小学生の私から見ても分かりやすかった

男の人がお姉ちゃんと話す時は大抵口角が上がってる
お姉ちゃんのニコニコした笑顔に反射するように笑っている

スキンシップの多さも目に見える
男の人の肩や手に自然に触れて相手に好意を持たせるのも簡単だと思う

お姉ちゃんにそんな気がなくても当たり前にそんなこと出来るのが怖い。

私は気持ち悪くてそんなこと出来ない。
ましてや好意が無い人にそんなこと出来るわけない

キーンコーンカーンコーン…

"あれ、A今日ゆりと帰んないの？"
「ゆりちゃん彼氏と帰るから。部活？」
"うん。途中まで一緒に行こー"

私とゆりちゃん以外の二人は部活に所属している

ショートカットで小柄の矢恵ちゃんは調理部
いつも巻き髪の依ちゃんは写真部

私もどちらか入ればよかったなぁと今になって後悔

だけど競うのも評価されるのも苦手だ
だから趣味の範囲でやるだけで十分。

“Aって学校から帰ったら何してんの？”
「んー…本読んだりしてるのかな」
“っぽいね～この前借りた恋愛小説良かったからまたおすすめ教えて！”

「うん、探しとく」

高校生のキラキラした放課後

時々集まって馬鹿やってる時にはこの時間がずっと続けばと思う

でも一人で帰る日は
遠回りしたくなる日もある