君との出会いを【吉野北人】 (ページ48)

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48.自覚ページ48

北人side

公園につながる階段までたどり着いた。

「この上にある公園だよ。」

A「階段…長いね。笑」

「大丈夫、大丈夫。笑」

まだ手はつないだまま。Aちゃんには言わないけど落ちてきても守れるように後ろ気味で登る。

夜景の綺麗さに驚いて欲しくて後ろから手で目を隠す。思ってたよりも距離が近くてドキッとした。

A「え、なになに？！怖い！」

「大丈夫だよ笑信じて、はい！そこ段差あるから足あげて！」

A「はい！」

そんなやりとりをしながら夜景が綺麗に見える場所まで連れて行く。

目の前には夜景。その間にAちゃんがいる。夜景を見せるために手をどかす。

「はい、目開けていいよ。」

そう言って手をどかすと

A「うわぁ〜、綺麗…！」

目の前の景色に夢中になって静かに眺めるAちゃん。そんなAちゃんがいれば目の前の夜景に目が行くわけがなくてそのままAちゃんを見つめてしまう。

するとAちゃんが突然こっちに振り返る。

A「ありがとう、北人くん。美味しいお店もこんな綺麗な夜景も見せてくれて。」

「ううん、喜んでもらえたならよかった。」

A「うん！すっごく楽しかった！」

「ここね、誰にも教えたことなくて疲れたときとか落ち込んだときにくる秘密の場所なの。だから内緒ね？」

A「秘密の場所…うん。約束する！」

そう言って微笑んでまた夜景に目を向けるAちゃんから目が離せなくて、しばらく2人でそこで立っていた。これが恋じゃなかったらなんて言うんだろう、なんてくさいことを思ったりしながら。