君との出会いを【吉野北人】 (ページ3)

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北人side

レコーディングの休憩に入り、街をぶらぶらと散歩していた。

普段あまり入らない路地に足を踏み入れるとおしゃれな服屋を見つけた。

その服屋の名前は「# Color」
古着からモードなものまで取り揃えられているゆったりとした雰囲気の店だった。そこにはこじんまりとしたカフェ、メイクルームなんかも取り付けられていた。

好みのものがたくさん置いてあったから店内を見て回っていると

「いらっしゃいませ。」

と、背中から聞こえた柔らかな声。

A「気になるお召し物がございましたら、お気軽にお声掛けください。」

後ろを見るとそこにいたのはおしゃれでセンスの良い服を着たかわいい女の子。

その瞬間、胸を打ち抜かれたような衝撃を感じた。

驚いて、

「ま、また来ますっ！」

と、腑抜けた返事をして店を飛び出した。

スマホのロック画面で時間を確認するといつの間にか時間が経っていて急いで事務所に戻る。

スマホの画面に映る真っ赤な自分の顔は見て見ぬふりをして。

久しぶりの感覚に胸が騒いだ。