君との出会いを 2 【吉野北人】 (ページ25)

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北人side

ちょうどいい時間に仕事が終わることはわかってて
仕事が終わると同時に事務所を飛び出した。

向かうのはもちろんAちゃんの店。

店に入ると仕事をしているAちゃんが目に入る。

ひさしぶりのAちゃんに頬が少し緩む。

でもそんな顔はAちゃんが向ける笑顔の相手によって
すぐに引きつることになる。

店に来ただけにしては親そうな男。

楽しそうに話しては笑顔を絶やさないAちゃんをみて
不安な気持ちが芽生える。

なんとなく声をかけるのははばかられて
カフェの方に入る。

コーヒーとケーキを注文して
スマホをいじっていると

店長「おう、北人。来てたの。」

「あ、先輩、お邪魔してます。」

店長「いらっしゃーい。」

そう言って先輩が声をかけて来た。

店長「ふっ、先から何険しい顔してんの。笑」

「え？険しい顔ですか？」

店長「なに、気付いてないの。笑
さすがに気付かないのはやばいよ。」

「別に険しくなんか…。」

店長「仕事？それともAと親しそうに喋ってるあの男？」

ズバッと当てる先輩。

店長「お、図星だー。」

「図星って、だってなんか仲良さそうだなー。って思って。」

店長「ま、そうだろうな。高校の同級生らしいよ。」

「高校の、同級生…。」

店長「しっかりしないと取られちゃうかもよ？」

意外なライバルらしき存在に焦りを覚えた。

「Aちゃん？」

「あ、北人くん！」

今日は知ってる人いっぱい来るな、なんて思っていたら
北人くんまで来てくれた。

「体調は大丈夫？」

北人「大丈夫だよ、ほんとありがとね！」

「いやいや、よくなってよかったー！」

北人「Aちゃんのおかげです、ってことで
今夜ご飯行かない？」

「え、いいの？！行きたい！」

北人「じゃあいこーよ！もうすぐで終わる？」

「終わる！」

北人「じゃあ店の外で待ってる。」

「ありがとう！」

そんなやりとりをしてAちゃんとご飯に行く。
約束できて嬉しい。