君との出会いを 2 【吉野北人】 (ページ12)

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北人side

視線に気が付いたのかパッと後ろを振り返った。急だったから目があっちゃった。

A「どうしたの？映画見ないの？笑」

「見てるよ。笑」

そう言ってなんとか誤魔化す。

思っていたよりも距離が近くて振り返った瞬間上目遣いでこちらを見られると心臓に悪い。

なかなか治らなくてもはや映画どころじゃなかった。

しばらくして結局は映画に見入ってた。

ふと視界に首がこっくりこっくりしてるのが入ってくる。眠くなっちゃったか、と思いブランケットを取りに立った。

肩にブランケットをかけてソファに腰掛けると同時に横に倒れそうになったAちゃん。

咄嗟に手を出して頭を支えると呑気に寝息を立てている。そのまま自分の膝に頭を乗せてあげると

A「ふふ、…」

と笑顔なって、また眠ってしまった。

このかわいい生き物を膝に乗せたまま映画に集中できるわけもなくぼーっと見ていた。

昨日仕事で疲れてるはずなのに付きっきりで看病してくれたからかな。風邪うつらないといいな。でもうつっちゃったら俺が看病すればいいのか。

そんなことを考えながら映画を見終えて、
襲ってくる眠気に身を任せた。

A「北人くん、…北人くん、」

Aちゃんに揺さぶられて目を開けると、

A「ごめんね、途中で寝ちゃって！もし眠かったらここで寝るよりベッドで寝ないとまた風邪悪くなっちゃうよ〜。」

そう言われてそのままベッドに向かった。