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北人side
夢の中でまたAちゃんとあった。でも繋いでる手からすり抜けていく夢。必死に探す手は空中を彷徨ってやっと捕まえる。
「待って、行かないで…。」
そう言えば柔らかく微笑んで振り返ってくれるAちゃんに安心してまた意識を手放した。
優しい良い香りとともにAちゃんの声が聞こえた気がした。
A「ほく…ん?ぞ……作ったん、…けど食べれる?」
名前を呼ばれてだんだんと意識がしっかりとすると目の前にはAちゃんがいた。
「え、Aちゃん?」
びっくりしていると勝手に入っちゃってごめんとか勝手にキッチン使っちゃってごめんとかいろんなことやってくれたのに謝ってくれてる。いろんなことに気が使えるAちゃんに温かい気持ちが溢れる。
「うん、ありがとう。俺、無意識のうちにAちゃん呼んでたのか…////」
思っていることが口に出ちゃってなんとか誤魔化そうとすると雑炊を持っているAちゃん。さっき雑炊って言ってた気がする。
食べれる?と雑炊を差し出してくれる。優しい香りであんまり食欲はなかったけどなんだか食べられそう。
Aちゃんはレンゲを口の前まで持ってきてくれる。気づくとそれは前自分がやったことで熱で何にも頭が回らないのに顔が真っ赤になっちゃって隠せもしない。
A「ん?顔赤い?熱測る?」
「いや、これはその、急にあーんしてくれるみたいだから、照れた、だけです。」
弱ってるからか素直にこんなこと伝えてしまって余計恥ずかしい。
A「あ、そっか、自分で食べれるよね…///」
そう言って赤面している。
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作者名:Jellyfish | 作成日時:2021年12月3日 17時