君との出会いを 2 【吉野北人】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:42,611 hit

53. ページ3

Aside

急いで北人くんの家に向かう。家に着いてピンポン押すけど何も返事がなくてもう一度電話をかけた。それでも繋がらないからドアノブに手をかけると鍵がかかっていなくて失礼を承知で

「ごめんなさい、お邪魔します。」

そう小声で謝りながら部屋に入った。

キッチンを見るとコンビニのお弁当のゴミが溜まっていて、脱ぎ捨てられたようなコートと帰ってきてすぐに置いたようなカバンがあったけど北人くんの姿が見当たらない。

部屋を見回すと少し隙間が空いている部屋があってそこに手をかけると取れたようにベッドに横になっている北人くんがいた。苦しそうに息をしていて顔も赤くなっていた。ベッドの横には雑に置かれた体温計と携帯が置いてあって最後に電話がかかってきたのはこういうことかと理解する。

家の中を物色するのは気が引けるからとりあえず鍵を拝借して近くのドラッグストアまで必要なものを買いに行った。

買い物終えて北人くんの家つくとまだ眠っていてとりあえずおでこに冷えピタを貼る。布団をかけてタオルで汗を拭いてお水を飲んだ方が良いかと思いとりあえず北人くんを起こした。

「北人くん、お水飲める？」

そう言うと少し目を開けてゆっくり起き上がる。

北人「ありがとう…。」

寝ぼけたままお水を飲んでまた眠ってしまったからおじやでも作ろうとしてベットのそばを離れると

北人「待って、行かないで…。」

そう言って腕を掴まれた。