君と描く物語９

＃４０８ ページ8

蜜璃｢ただいま〜！｣

A｢おかえり、お姉ちゃん｣

夕飯前のリビングに、学校から帰ってきた姉の元気な声が響いた

蜜璃｢あら？何見てるの？…あ、パンフレット？｣

A｢うん。今日、学校で進路ガイダンスがあって｣

蜜璃｢進路ガイダンスかー、懐かしいわ〜！うちの大学のパンフも貰ったのね｣

ダイニングテーブルで今日貰った資料に目を通していたら、私の隣に腰を下ろした姉が手に取り懐かしむ様にページをめくる

蜜璃｢あ、この大学…前は美術科は無かったはずだけど、新設されたのねー

それに、この教授 凄い有名な人よ！？えー…この人の講義受けれるなんて羨ましいわ〜///｣

A｢そんな凄い人なの？｣

蜜璃｢この世界ではとっても有名よ！私も画集持ってるわ
良かったら後で見せてあげるわね！独特な世界観で、色使いや表現が素敵なの

はー…今の大学も沢山 刺激を貰えてるけど、後二年早かったら受験してたかもな〜｣

A｢そうなんだ…そんなに…｣

姉が釘付けになったそれは、この地からは離れた場所にある大学で
私が一番目を惹かれていたパンフレットの場所だった

蜜璃｢Aの周りにも、同じ様な進路希望の子居るの？｣

A｢ううん…カナヲと…アオイわかる？蝶屋敷病院の先生の娘さん
あの子が医学部のある大学を志望してて、梅ちゃんもファッション系の専門だから皆 違うの｣

蜜璃｢そっか…じゃあオープンキャンパスとか、ちょっと心細いね…

もし予定が合えば、私も他の学校覗いて見たいし…Aさえ良ければ私もお供してもいいかしら？｣

A｢え！？オープンキャンパスって受験生じゃなくてもいいの！？｣

蜜璃｢大学って、もちろん現役の人が多いけど…いろんな事情で現役以外の受験生も沢山居るのよ！

だから二年くらい誤差があっても怪しまれないわ！｣

A｢そう…なんだ…っ｣

…でも、確かに…高校受験の見学の時はカナヲと一緒だったし同級生も何人か居たから戸惑いは無かったけど
今回は本当に独りだから、お姉ちゃんが居てくれた方が最初 慣れるまでは有難いのかも…

A｢じゃあ…最初の二校くらいは、お願いしようかな…｣

蜜璃｢…！もっちろん！｣

今日のガイダンスの先生も、より沢山の大学を見た方がいいって言ってたし
この夏はバイトにオープンキャンパスに…忙しくなるかもしれないな

蜜璃｢オープンキャンパス、楽しみね！｣

A｢うん…！｣

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