君と描く物語９

＃４４２ ページ42

その後、カナエさん以外の胡蝶家の皆とも合流して参拝の列に並ぶ

A｢参拝が終わったら御籤引こうよ｣

カナヲ｢うん！｣

参拝の列はどんどんと進み、あっと言う間に私達の番も来る

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ！

それぞれ手を合わせて数秒間、静かに心の中で神様に言葉を向ける

…今年も一年、本当に一瞬で過ぎていったな
来年はどんな一年になるんだろう

私は…ちゃんと自分の納得行く道を歩んで行けるのかな


神様への挨拶を終えて、ゆっくりと目を開け横を見る

まだ静かに目を閉じてる宇髄先生の真剣な横顔を見ながら、まだ見ぬすぐ近くの未来の事を考える

天元｢………っし、んじゃ御籤行くか｣

A｢あ…はい！｣

そう言って御籤を引きたいメンバーを誘って御籤の出来る窓口まで移動する

ｶﾞﾗｶﾞﾗﾝ…

カナヲ｢A何番だった？｣

A｢私は二十四番だって…カナヲは？｣

カナヲ｢私は六十二｣

A｢宇髄先生は何番でしたか？｣

天元｢三十番｣

A｢皆バラバラですね。御籤と交換してもらいましょ｣

他にもお姉ちゃんや小芭内さん達もそれぞれ御籤の番号を確認して、窓口の巫女さんに番号を伝えて御籤を受け取り
それぞれが自身の御籤に目を落とす

えっと、私のは……

A｢あ…小吉だ｣

カナヲ｢私は中吉｣

天元｢二人共良いじゃねえか。内容は？｣

内容は……

"目先の事に囚われ 本に自身に必要な物が何かという事を見失うべからず"

"勉学:本心に従い精進せよ"
"縁談:相手の真意をよく考えよ"

A｢…｣

天元｢…どうかしたか？｣

A｢いえ…精進せよって書いてありました。今年も頑張ります！

宇隨先生のは何て書いてありましたか？｣

天元｢俺のはこれ｣

そう言ってぴらっと私に自身の御籤を見せてくれた
その内容は…

"人の心を感じ取る事に優れてるが故 悩み事も多くなるが 時には厳しく接するのも又 己と相手の為となる"

"縁談:自我を抑えれば吉"

A｢自我を抑えれば吉…｣ﾎﾞｿｯ

先生は今だって充分 沢山の事を考えて動いてくれてるのに、それでもまだ自我を抑えれば吉だなんて…

天元｢まぁただの運試しみたいなもんだし、そんな難しい顔すんなよ｣

A｢そーですけど…｣

ただの運試し…

けど、それぞれのこの御籤の言葉は
やっぱり ちゃんと未来を見計らった神様からの言葉だったんだと

後々痛い程痛感するんだ

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