君と描く物語９

＃４３１ ページ31

炭治郎｢A！五番テーブルにこれお願いします｣

A｢はーい！｣

頼まれた飲み物とお菓子の乗ったトレーを手に、お客様の待つテーブルに向かう

A｢お待たせ致しました！オレンジジュースお二つとマフィンです｣

慌ただしい中、着慣れないメイド衣装を身に纏いなから今何をしているかと言うと…

バイト…では無く…


善逸｢いや〜今年の学園祭は最高だね〜

去年は俺達 女装させられてたし…やっぱりAちゃん達みたいな可愛い子が 可愛い格好して接客するのが一番だよぉ///｣

バックヤードとホールを仕切るカーテンの近くで、善逸くんが楽しそうにそう言う

そう言えば、去年は善逸くんも竈門くんも女の子の格好してたもん…ふふ、あれも似合ってたけど

A｢ありがとう！善逸くんも執事姿格好良いよ！

禰豆子ちゃんに見せるの楽しみにしてたもんね！｣

善逸｢えへへ〜！午後になったら迎えに行くんだ〜｣

そう…今は学園祭の真っ只中で…
うちのクラスはコスプレ模擬店を開く事になった

コスプレと言っても、女子はメイド 男子は執事と言う大堂の衣装

思ったよりもスカート丈が短くて最初は動き回る度に腰周りが気になったけど、暫くするとそれにも慣れて接客に専念する

｢すみませーん。注文いいですかー？｣

A｢はーい！伺います！｣

カナヲ｢私が行くよ｣

A｢ありがとう｣

他のお客さんの接客中だった私を気遣って、カナヲが代わりに注文を聞きに行ってくれる

だいぶ混み合ってきたな…

今日はまだ一日目、一般公開のある明日はもっと混み合うかもしれないし
せめて今日少しでも先生と会えたら嬉しいんだけど…

梅ちゃんのクラスは出店だって言ってたから、宇髄先生も手が空く瞬間はあるはずだし
タイミングが合えばって思ってたのに

ここ最近昨日まで、学園祭に向けての準備やバイトで忙しくてしてたから
先生とゆっくり話す時間もなくて…今も今で携帯はポケットの中にあるけどメッセージ送るにもお客さんが途切れないし…

｢Aちゃん、一番テーブルに運んでもらっていい？｣

A｢あ…はーい！｣

仕方ない…休憩に入ったら一番に先生を探しに行って…でも、校内の何処にいるかわかんないなー…
虱潰しに歩き回ってたらあっという間に時間なくなっちゃいそうだし…

何かいい方法は無いかとぐるぐる考え込んでいると…

A｢お待たせ致しました…コーヒーとクッキーをお持ちしました｣

｢おう、ありがとな｣

…ん？この声……

＃４３２→←＃４３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す