君と描く物語４

＃１７５ ページ25

カナヲside

さっきAからメッセージが来ていた

A二人でゆっくり楽しんできてね♪

確かに、炭治郎と二人で回れるのは凄く嬉しいけど…
炭治郎には変な風に思われないかな？

Aと別れてから、お昼ご飯も兼ねてそれぞれ食べたい物を探す為に
模擬店の屋台が並ぶ通りをふらふらと歩く

炭治郎｢A遅いね…大丈夫かな？何か連絡あった？｣

カナヲ｢え！あ…何か用事があったらしくて、ゆっくり二人で回ってきてって｣

炭治郎｢そっか……もしかして、宇髄先生と会ってる？｣ｺｿｯ

カナヲ｢えぇ！？な、なな…なんで…っ｣

こっそり耳打ちされた言葉に驚いた

どうして炭治郎が二人の関係を知ってるの？

余りにも予想外過ぎて、瞬時に誤魔化す事が出来ずにあからさまに挙動不審になってしまう

炭治郎｢実は匂いで二人の事気付いてて…｣

カナヲ｢そ…そうなんだ……｣

炭治郎｢あ！大丈夫、誰にも言ったりしないよ

カナヲはAと仲良いし、二人の事も知ってるみたいだったから話しただけだから｣

カナヲ｢うん、ありがとう｣

炭治郎、優しいな…知った上で、ちゃんと気を回してくれてるんだね

…そういう所が……

カナヲ｢…！｣

って事はつまり、私の気持ちも匂いでバレてるんじゃ…

それに気付き、ハッとして歩いてた足が止まる

炭治郎｢…？カナヲ？｣

私が立ち止まった事に気付き、炭治郎が振り向く


もし私からもそんな匂いがしているのなら…
炭治郎がそれに気づいているのなら

どんな気持ちでそれを感じているんだろう


怖いけど、知りたい…


ねぇ、炭治郎…炭治郎は私の事、どう思ってる？


私は炭治郎みたいに鼻が利く訳では無い…
炭治郎の想いは、言葉で聞かなきゃわからない

聞いても、いいかな…

私は貴方が好きだと言ってもいいのかな……


Aが先生に告白するって言った時、凄くかっこよく見えた

真っ直ぐ、大好きな人に大好きだと伝えるのはとても勇気のいる事だとわかっていたから

もし駄目だったらという思いが過ぎれば尚更…

だけど、それでももう…気持ちを声に変える事を躊躇わないほど
その想いが溢れ出してしまったら、その時は…


私もきっとこの想いを伝えない以外の選択肢はなくなるんだろう


今だって、周りには沢山の人がいるのに
私の目に映るのは炭治郎だけで…


ｷﾞｭｯ…


炭治郎｢…カナ…ヲ…？///｣

誰にも取られたくない…


その言葉が頭を過ぎった瞬間、無意識に炭治郎の左手を握った

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