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#164 ページ14

困らせた…?それとも何か怒らせた…?

私から手を離した先生は、静かに私に背を向けて黙り込んで動かない


思ってた反応とは掛け離れすぎてて、淡い期待をしていた分 頭の整理が追いつかない


先生、何も言ってくれない……

一瞬の沈黙が、今は凄く長く感じて息苦しい

何が先生を困らせてるんだろう

似合ってないならそう言って…背伸びし過ぎだとでも、なんでもいいから…

お願いだから、何か


だめだ…泣きそう…

A「…せんせ……っ」ギュッ

天元「…!」

沈黙に耐え切れずに、背中越しの先生のパーカーをぎゅっと掴んで名前を呼ぶと ピクリと先生の体が反応したのを感じた

涙を堪えてるせいで、震える声と手…

喜んで欲しかっただけだった
可愛いじゃんって、いつもの様に笑って欲しかっただけなのに

何を間違えたの?私…

A「…ッ」

天元「え、A泣いて……!?」

涙が零れないように必死に耐える私の息遣いを聞いて、先生が慌てて振り向いた

やっと聞こえた先生の声に何だか安心してしまって、瞬きと同時に両目からぽろっと涙が零れ落ちる

天元「どうした…?」

A「だって…先生、何も言ってくれないから…不安になっちゃって…」

天元「あ…悪ぃ、そんなつもりじゃなかったんだけど…」

私の涙の理由を知った先生は、申し訳なさそうにそう言った

A「…似合ってなかったですか?」

天元「そんな事ない…凄い綺麗だって思ったよ」

A「…でも先生困った顔してたから…」

天元「……まぁ正直困まった…かな…」

A「…っ」

やっぱり……

天元「でも、きっとAの思ってる様な理由じゃない」

A「え…じゃあ…」

天元「…我慢がきかなくなったら困ると思ったんだ」

A「我慢…?」

天元「馬鹿…好きな女が普段より増して綺麗な格好してるのに、触れたくならない野郎が居ると思ってんのか?」

A「…///」

さっきと同じ様に、先生の両手が私の頬を包み込み
今度は私も真っ直ぐに先生を見つめ返す

鏡を見なくても分かるくらい耳まできっと真っ赤で…

だって普段余裕一杯の先生が、珍しい程に頬を染めて照れるから
そんな姿見たら、こっちまで照れが移ってしまう


鼓膜にまで響く程の鼓動の深い振動が、私の思考にゴーサインを出しているかのようで



きっと、アレをするなら今だって……



A「先生…私、先生ともう一歩…先に進みたい…です…」

天元「…A……それって…」

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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momoko19960430(プロフ) - レモンソーダさん» ぼちぼちカナヲちゃんの説明であの夜のやり取りが明らかになります(^-^)ホンワカした二人のやり取りをお届け出来たら…と!煉獄先生は、大切な同期の恋と幼い頃から知る愛弟子を見守りたい気持ちとで、きっと知ってからもずっと優しく見守ってくれてたのかな…|´-`) (2021年3月11日 19時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモンソーダ - ようやく炭治郎と会えてよかった〜〜(^_^)でも、ここぞっていう時にビシッと決めたのかなぁ?そうだね、最後は皆笑顔で終わってほしいね。それにしても、煉獄先生〜〜二人のことを知っていて、ずっと言わないでくれたのかなぁ?( ´〜`) (2021年3月11日 0時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモンソーダさん» カナヲちゃんからの電話、内容は一体何なのか…ですね!この学園祭は、皆笑顔で終われるといいなと思ってます(^^) (2021年3月10日 19時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモンソーダ - カナヲちゃんにはなんとしてでも炭治郎を探してほしいなぁ。他の人に呼び出されたって知ったら気が気じゃないよね(*´・ω・)大丈夫かなぁ……。 (2021年3月9日 23時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモンソーダさん» 無一郎くんは春から後輩として距離も近くなるし、何より本人が諦める気0だから…。他の人に呼び出されたって知ったカナヲちゃん、もう形振り構ってられなくなりましたね|´-`)ガンバレ!本の話はまだ暫く先になりそうですが、ちゃんと説明出来たらと思ってます! (2021年3月9日 7時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2021年2月18日 23時

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