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#92 ページ42

天元side

美術室を出てから、あの中庭のベンチに腰を下ろして一人不貞腐れていた

真夏でも風通りがよく、木々が影を作るここは
頭を冷やして時間を潰すには丁度いい


にしても俺の返答に対しての、あのAの声…
戸惑いの感情しか含まれてなかった

少しだって好意を持たれてるのかもっていう期待だとか、それに似た感情は読み取れなくて…

天元「俺が自分を好きかも、なんて…微塵も想像してないって感じだったな…」

キスまでしてんだぜ?普通はさ…思うだろ、さすがに

事故ってなんだよ…ドラマや漫画じゃねぇんだから故意でなきゃ唇なんて重なんないだろ

そんなに俺はAにとって恋愛対象外なのか?
自分で言うのも何だけど、結構できる範囲内でもわかりやすくアピールしてるつもりなんだけどな…これでも


つーか…

天元「いきなりだったとしても…何で抵抗しないんだよ…」

そういやあいつ好きなやつ居るって言ってたな…
なのにあそこまで隙だらけじゃ、俺じゃなくてもあんなの誰だって…


…くそ、簡単に唇奪わせてんじゃねぇよ


さっきあの瞬間やってしまったと思ったのと同時に
不覚にも、これで少しは意識して貰えるんじゃないかって思った


なのに、魔が差しただの事故だの…

天元「何も分かってねえっつーの……ばーか…」

天を仰ぐ様に背もたれに身を委ね、木漏れ日の落ちるベンチで項垂れる

もっと分かりやすく態度に出したり言葉にしたりしなきゃ伝わんないって事なのか?
でもそれって、Aからしてみれば一歩間違えればただの迷惑にもなりかねないだろ

そう思ったから少しずつでも意識して貰って、振り向かせた後に()うつもりだったのに…


…なんか、考えてたらムカついてきたな

ここまで鈍感じゃ、なりふり構ってたらいつまで経っても振り向く所か俺の気持ちなんて届きやしねぇ…

教師だとか生徒だとか…もうそんなの関係なく奪いに行かないとだめって事なのかよ


天元「上等じゃねぇか…やってやるよ」


頭冷やすとか言っといて、逆に吹っ切れちまった

そうと決まれば…



スパーーンッ!


A「…!?び、びっくりした…宇髄先生!おかえりなさい…っ」

天元「おう、ただいま」

威勢よく部屋に戻ると、全くと言っていいほど作業が手についていなさそうなAが俺の帰りを気まずそう迎える

天元「A、さっきした事忘れんなよ」

A「え!?」


俺の全力を掛けて、絶対に落としてやるからな
覚悟しとけよ…A

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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momoko19960430(プロフ) - お酒さん» 誤字脱字が気になったので一部手直ししましたー! (2021年6月14日 13時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
お酒 - 2021/06/13、めちゃくちゃ投稿しましたね!!暇だったんですか?? (2021年6月13日 23時) (レス) id: 48240712ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:P | 作成日時:2021年1月20日 13時

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