君と描く物語１２

＃５６０ ページ10

私は決めた…
今まであやふやにしていた事に、ちゃんとけじめをつけるって

自分の気持ちに気付いてしまった今、これ以上この関係を続けるのは相手に失礼だから


A｢……無一郎くんにちゃんと言わなくちゃ…｣

私の好きな人は、これまでも…これからも……
宇髄先生ただ一人だって


今はまだ仮でもいいから、傍に居る理由が欲しいって言っていたけど
このまま 無一郎くんの貴重な時間を私に使わせてはいけない

だからちゃんと…


A｢え…無一郎くん今日はお休み…？｣

禰豆子｢はい…将棋の試合じゃないですかね｣

A｢そ…っか……｣

昼休み一番に無一郎くんの教室に向かったけど無一郎くんの姿は無く、同じクラスの禰豆子ちゃんが居たので尋ねてみると そう返ってきた


今日が駄目でも、明日なら…！

A明日は学校来るかな??

無一郎ごめんね、明日も試合なんだ。何かあった?

A｢ありゃ…試合なら仕方ないか…｣

今までも試合が立て続けにあって、何日か連続で休む日もあったから…

でも、出来れば直接会って話したい
今まで無一郎くんも、何度も目を見て想いを伝えてくれたし


A｢…よし！｣ｸﾞｯ

たった一日や二日都合が合わなくたって、次会える時に必ずチャンスはあるはずだし

気を取り直して…！


…って、思ったのに……


その次の日も…

A｢え…っ…今日はもう帰っちゃった！？｣

またまた、その次の日も……

無一郎放課後に学校寄る予定だよ

A｢今日はバイトだよ〜…っ｣

その次の日も…また別の日も……



ﾁｰｰﾝ…ｯ

A｢……っ｣ｸﾞﾃﾞｯ

梅｢何項垂れてんの？この子…｣

カナヲ｢時透くんに話したい事があるのに、一週間以上予定が合わずに擦れ違ってるんだって…｣

アオイ｢何せ相手はプロ将棋士だし…学業と将棋との両立は大変だろうから、仕方ないかもしれないけど…｣

…駄目だ……話したい事が出来た途端、こんなにも会えない日が続くなんて…

私もバイトや予備校もあるから、毎日放課後 部活に行けるわけじゃなくて
無一郎くんが学校に来るタイミングで放課後予定が無い日も少ない…

本来なら忙しい無一郎くんに私が合わせなきゃいけないんだろうけど、どうしても私も受験勉強もバイトも疎かにできないし

このままじゃ、まともに話も出来ないまま冬休みに入っちゃう……


A｢………やっぱりそんなの駄目！！｣ｶﾞﾊﾞｯ！


こうなったら！

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