君と描く物語１２

＃５９９ ページ49

控え室を出てゲストの待合ルームに向かうと、パーティードレス姿のカナヲ達の姿が見えた

A｢カナヲ、しのぶさん！｣

カナヲ｢A｣

しのぶ｢本日はおめでとうございます｣

A｢ありがとうございます！カナエさんは…｣

しのぶ｢旦那さんと一緒に来るわ｣

A｢そっか…カナエさん体調どう？｣

カナヲ｢今は安定期にも入ったし大丈夫だよ｣

A｢良かった…それにしても、楽しみだね！予定日十月だっけ？｣

カナヲ｢うん｣

今、カナエさんのお腹には赤ちゃんがいる
元々言ってた通り妊娠を機にお仕事はお休みしていて

ただ本当は、いつ復帰ができるかも分からず迷惑をかけるのも嫌だからと退職する予定だったけど
学園長の計らいで、いつになっても大丈夫だから
育児が落ち着いたら復帰して欲しいと言って貰えたらしい




｢それでは、新婦様によるブーケトスです！皆様、是非前の方へ起こし下さい｣

挙式も滞りなく進んで行き、スタッフの案内で独身女性達が前の方へ集まる

そう言えば、カナエさんの結婚式でもブーケトスがあって…あの時は真っ直ぐお姉ちゃんの所に飛んできたんだったな

そして迷信通り、その姉が今日結婚…
もしかして…このブーケトスを受け取る人が、本当に次の花嫁さんになったりして

そんな風にぼんやりと考えながら、階段の上の方でトスの準備をする姉を見上げながら待っていると

蜜璃｢皆〜！行くよ！そー……れっ！｣ﾊﾟｯ

皆の視線を一心に集めたブーケが、綺麗に弧を描いて宙を舞い…一人の女性の手元へと……

｢え！？｣ﾊﾟｻﾂ

それは誰かと言うと…

A｢わぁ！｣

カナヲ｢…！おめでとう｣

カナエ｢あらあら〜！次はしのぶなのね！楽しみだわ〜｣

しのぶ｢わ…私でいいのかしら…///これ、Aの方が…｣

そう、それはしのぶさんで

天元｢Aは卒業するまで まだ時間あるしな〜｣

杏寿郎｢そうだな！｣

実弥｢でも、これでうかうかしてらんねぇ奴が一人出来たなァ…なぁ？冨岡ァ｣ｸｽｯ

義勇｢…｣

…？何で冨岡先生が絡まれて……

しのぶ｢皆さんやめてください…冨岡さんには理解出来ない振りするの｣ﾂﾝｯ

義勇｢そんな事は無い｣

しのぶ｢え…｣

義勇｢ブーケトスの迷信など無くても言うつもりではあったが…しのぶ、俺と結婚してくれないか｣

しのぶ｢……へ！？///｣

｢｢……えぇ〜///！？｣｣

冨岡先生のまさかのプロポーズ発言に会場が沸き上がり、幸せ続きの結婚式になりました

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