君と描く物語１２

＃５５５ ページ5

そして、私達にとっての最後の学校行事も無事に終わり
学園祭の片付けが終わるのと一緒に、それまでとは違うピリッとした雰囲気が教室内に漂う様になった

それもそのはず…二学期後半のこの時期は、各部 大きな大会を勝ち進んでいない限り三年は引退

先生が言っていた通り一気に受験シーズンに突入

センター試験が近づき、教室内では休み時間でも参考書を広げたり
各々の勉強をする姿が多く見られるようになってきた

それは私も例外ではなく、筆記試験に向けて勉強に励んでいる


センター試験の結果次第で、第一志望の学校を受験できるかどうかも違ってくる

気を抜けない毎日


そんな中、本日の放課後は三者面談も控えていて…


A｢あ！お母さん、こっちこっち！｣

母｢お待たせ、A。蜜璃の時とは教室の場所が少し違って迷っちゃったわ…｣

A｢時間はまだ余裕あるから大丈夫だよ｣

昇降口で母と合流し教室に向かう


A｢ここで座って待ってようか｣

教室の前には次の面談者用に待合席が作られており、そこに母と二人で腰掛ける

母｢一昨年は杏寿郎くんで、去年は行けなくて残念だったけど小芭内くんだったし

今年も宇髄先生で、担任になってくれる方々が皆面識のある人達ばかりで良かったわ｣

A｢確かにそうだね｣

…あれ、そう言えば私…お母さんに先生と別れた事言ってない気がする

お母さんの事だから、煉獄先生の時みたいに盛り上がって雑談でもし始めたら気まづくなっちゃうから事前に言わなきゃ…！

A｢あ…あの、お母さん…実は……-ｶﾞﾗｧ！

母に話を切り出そうとしたけど、言葉を遮る様に真横の扉が空く音が聞こえた

｢甘露寺さん、お待たせ！終わったから中どうぞって宇髄先生が｣

A｢うん、ありがとう…！｣

どうしよう…結局言えないまま順番が来ちゃった…

変な事言わないといいけど…


心配は晴れぬまま、先生を待たせる訳にもいかず母と一緒に教室内に足を向けると
机を四つ並べた島に宇髄先生が座っているのが見えた

天元｢お久しぶりです。本日は御足労いただきありがとうございます｣ｽｯ

私達の姿を見るなり、宇髄先生は席から立ち上がりお辞儀をする

今日はいつもと違い、スーツ姿の宇髄先生
髪の毛もしっかりと纏めて結ばれていて雰囲気が違いそわそわする

母｢こちらこそ…いつAがお世話になってます｣

天元｢いえ…では、どうぞお掛け下さい｣

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