君と描く物語１１

＃５０８ ページ8

最後の最後まで、怒涛の時間となった修学旅行から帰って来て数日

｢聞いた！？二年の時透くんの噂！｣｢皆の前で抱き締めたってやつでしょ？///｣｢やば…漫画みたいじゃん！｣

｢俺らのアイドルの甘露寺さんが…｣｢ずっと噂あったもんなー…｣

すっかりあの帰り際の出来事は校内中に広まってしまって、廊下ですれ違う人達 殆どから視線を感じる日々を送っています


梅｢あの時 まだ残ってる生徒も居たし、そりゃあんだけ堂々とやられちゃ噂にもなるわ｣

アオイ｢それに、Aと時透くんの二人は元々噂もあったし特によね｣

休み時間、痛い程感じる視線にぐったりとしていると
皆が心配して声を掛けてくれる

カナヲ｢大丈夫…？｣

A｢周りの視線が全く気にならないって言ったら嘘にはなる…かな…｣

でも、先生の時みたいに嫌がらせをされたりって訳じゃないのが救いで…

視線こそ感じても、その中に敵意とかは感じない
皆 興味本位でちらちら見てる程度だから

アオイ｢でも 何が一番凄いかって、それでもAに告白してくる人が居るのが凄いわよね…｣

梅｢ダメ元とか当たって砕けろ精神なのよ…今日の昼休みも呼び出されてんでしょ？｣

A｢うん…｣

アオイ｢そういう梅も相変わらずの人気だし…

体育祭も目前に控えてるのと、うちの学年にとっては学生生活最後の夏って事もあって 皆必死なのかもね｣

A｢言われてみれば そんな行事があったね…っ｣

カナヲ｢修学旅行でばたばたしてたから、今年の体育祭はあっという間に来たって感じだよね｣

梅｢今年もうちのクラスはカナヲとAが女子のリレー選手に決まったし、男子は善逸と嘴平で
私とアオイは二人三脚…炭治郎は借り物競争だっけ

今年もプレミアシュー ゲットするわよ〜！｣

カナヲ｢ふふ、楽しみだね｣


最後の体育祭か……

思い返せば、いつの年の体育祭にも私の記憶には宇髄先生が居たな

借り物競争で突然 先生に呼ばれて抱えられて、去年は先生と無一郎くんのバトルにはらはらして


そう思うと、今年は静かな体育祭になりそう



昼休みになり＿＿

｢甘露寺の事好きです…っ…付き合ってください！///｣

A｢…ごめんなさい｣

あぁ、やっぱりこの瞬間って苦手だな…



アオイ｢あ、Aおかえり｣

A｢ごめんね、お待たせ｣

教室に戻ると先にお昼ご飯を食べてた皆が迎えてくれる

カナヲ｢A……大丈夫？疲れた顔してるけど…｣

A｢うん…大丈夫だよ｣

梅｢…｣

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