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天元「…」
A「…」
…………き…まず……っ
部活の時間になり、昼休み以降 会話のできるチャンスなのに
先生は何かの資料に目を通しているのか、ずっと教卓で黙りのまま
私はと言うと、受験対策の内容は今 自力でレベルを上げる段階だから
先生への質問とかも特に無いし、かと言って何か会話のネタになる様な事も…
A「…」チラッ
天元「…」
気付かれないように様子を伺っても、その表情からは感情が読み取れない
不機嫌なのかそうじゃないのかすら分からない…
…前は、先生の事 少しは理解出来てるつもりでいたんだけどな……
…ガラァ
A「…!」
普段は記帳表を記入しに来る以外の時間は人が来ない美術室の扉が突然開き目をやると、そこには数人の後輩部員の子達が居た
天元「どうかしたか?」
宇髄先生も何事かとその子達に声を掛けると…
「あ…あの…///」「…ほら、ちゃんと言わなきゃ…!」
A「…?」
空いた扉の目の前に居る女の子が、何か言いたげにしているが煮えきらず
その背中をとんっと押しながら、後ろ二人が声を掛けているが…
「…///」チラッ
A「…っ」
先生に用事だろうか…なんて思った瞬間、もじもじとしているその子と不意に目が合う
そして…
「あの…甘露寺先輩!///」
A「はい…!」ビクッ
「県外の大学に行くって、本当ですか!?」
A「え……あぁ、うん…受かったらの話だけど…」
「…!や…やっぱり、そうなんですね…っ」
どうしていきなりそんな事を…?
それに…私が質問に答えると、その子は少しだけ寂しそうな顔を見せた
A「あの…それがどうかした…?」
私はゆっくりと席を立ち、その子達の方へと歩み寄る
「わ…私……仮入部の時に、甘露寺先輩に優しく声を掛けてもらってから先輩にずっと憧れてて…っ
先輩自体に憧れてるのは勿論なんですけど、先輩の作る作品も大好きで…!
だから……その…遠くに行ってしまうのは寂しいですけど、先輩が頑張ってるの…一言、お…応援したくて……///」
A「…っ///」
確かにこの子は、新入生の時 仮入部中に作品作りに悩んでる様だったから声を掛けた子だった
知らなかった…私の事…私の作品の事を、そんな風に想ってくれてる人が居るだなんて
こんなに頬も赤くなる程 緊張してまで……
A「…嬉しい…っ…ありがと」ニコッ
「…!///いえ…あの、頑張ってください!」
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momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 電話はお察しの通り無一郎くんでしたね!二年連続で、宇髄先生と過ごしていた学園祭も、今年は初めて先生以外と過ごす学園祭になるのでしょうか…次章が、最後の学園祭の後編となります! (2021年9月7日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 童磨もまだ諦めていなかったんだね。しかし、童磨もめげないねぇ……。電話の相手は無一郎くんかな?夢主ちゃんは劇を見に行くのかなぁ。最後の文化祭、何かが起こるのか……。 (2021年9月7日 15時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 学園祭初日が始まりました!無一郎くんとの合流の前に、まさかの童磨登場…何やら口説かれている(?)ようですが…大丈夫でしょうか(^^; 今回の学園祭も何やらアクションが起きるのでしょうか… (2021年9月6日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 夏祭りでのキスをしている所をまさか見られていたとは……。さすがに宇髄先生も気が気じゃないよね……。残りわずかな高校生活、文化祭ではコスプレ喫茶をするみたいだけど、まさか今年は無一郎くんと回るとはねぇ…。 (2021年9月6日 1時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 無一郎くんの止まらないアプローチ。けど、心の中は複雑な様ですね…。そして、無一郎くんの思惑通りキスを目撃してしまった宇髄先生…心の中は穏やかじゃないでしょうが…折角 また夢主を追いかけようとしたのに、途端にこれでは…この先どうなるんでしょうか (2021年9月4日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:P | 作成日時:2021年8月19日 9時