検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:17,632 hit

#524 ページ24

手元に広げた物

それは…あの県外の大学のパンフレットだった

先生とお別れしてから、何となくこれを目にするのを避けてた

これを目にすると、どうしても先生に別れを告げられたあの瞬間の記憶がチラついて辛くなってしまうから


…でも、いつまでも逃げてばかりいたら絶対に前に進めない
また…変わりたいと思えた今がチャンスなんだと思う


そうは言っても、やっぱり今だって不安はある

ずっと危惧してきた"先生と離れ離れになってしまう事"は、もう今こうなってしまった以上 気に病んでも仕方なくて…

だけど、もう一つ

"こんな大きな所に行っても埋もれてしまう"っていう不安は今でも変わらないから…

皆が言うみたいに、チャレンジしてみる事だって大事なんだと分かってはいるけど


A「もし……駄目だったら…」ボソッ

勇気振り絞って挑戦して、もしその結果が目も当てられない物になってしまったら

私は今度こそ、中学時代よりも 自分を肯定してあげられなくなってしまうんじゃないかって…

そう思うと…やっぱり……

「それ…例の大学のパンフレット?」

A「…!?」ビクッ

誰も居ないと思っていた横から突然声が聞こえて振り向くと、そこに居たのは

A「無一郎くん…っ…びっくりした…」

無一郎「驚かせてごめんね。呼んだんだけど…気付いてなかった?」

A「そうだったんだ…私こそごめんなさい、気付かなくて」

無一郎「ううん。隣座っていい?」

A「勿論!どうぞ」

無一郎「ありがとう」

スペースを開けると、無一郎くんはすっと私の隣に腰を下ろして一緒にパンフレットを覗き込む

無一郎「何か…まだここを志望するのに引っかかってる事があるの?」

A「…やっぱり、私なんかが…って思っちゃうんだよね…

こういうの、私の悪い癖なのはわかってるんだけど…」

情けなさを濁す様に、笑顔も混じえながら無一郎くんにそう言う

駄目だな、私って…こんな事言ったって、無一郎くん困らせるだけなのに…

だけど、一度開いた口は そんな思いとは裏腹に閉じれなくて…

A「…こんな自分変わりたいって…自信を持ちたいって…思うんだけど、上手くいかなくて…」

後ろ向きなこの気持ちを口にしていると、嫌でも笑顔も作れなくなって
段々と声色と明るさを保てなくなる

早く…早く止めないと……そう思うのに…っ


無一郎「先輩、こっち向いて?」クイッ

A「え……無い…ち…郎くん…?」

#525→←#523



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 電話はお察しの通り無一郎くんでしたね!二年連続で、宇髄先生と過ごしていた学園祭も、今年は初めて先生以外と過ごす学園祭になるのでしょうか…次章が、最後の学園祭の後編となります! (2021年9月7日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 童磨もまだ諦めていなかったんだね。しかし、童磨もめげないねぇ……。電話の相手は無一郎くんかな?夢主ちゃんは劇を見に行くのかなぁ。最後の文化祭、何かが起こるのか……。 (2021年9月7日 15時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 学園祭初日が始まりました!無一郎くんとの合流の前に、まさかの童磨登場…何やら口説かれている(?)ようですが…大丈夫でしょうか(^^; 今回の学園祭も何やらアクションが起きるのでしょうか… (2021年9月6日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
レモネード - 夏祭りでのキスをしている所をまさか見られていたとは……。さすがに宇髄先生も気が気じゃないよね……。残りわずかな高校生活、文化祭ではコスプレ喫茶をするみたいだけど、まさか今年は無一郎くんと回るとはねぇ…。 (2021年9月6日 1時) (レス) id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
momoko19960430(プロフ) - レモネードさん» 無一郎くんの止まらないアプローチ。けど、心の中は複雑な様ですね…。そして、無一郎くんの思惑通りキスを目撃してしまった宇髄先生…心の中は穏やかじゃないでしょうが…折角 また夢主を追いかけようとしたのに、途端にこれでは…この先どうなるんでしょうか (2021年9月4日 23時) (レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:P | 作成日時:2021年8月19日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。