君と描く物語１０

＃４８３ ページ33

｢俺……ずっと、か…甘露寺さんの事いいなって思ってて…っ…付き合ってくれませんか…！///｣

A｢…っ｣

やっぱり…予想は的中してしまった……

どうしよう、ちゃんと断らないといけないのに…っ

A｢あの、私は……っ｣ｸﾞｯ

この人と付き合う事は出来ない
だけどこんなに真剣に想いを向けてくれてるのに、今私が ごめんなさい と…その一言を告げたらこの人は…


＿天元｢俺達…別れようか｣


A｢…っ｣ﾄﾞｸ…ﾝｯ

｢甘露寺…さん…？あの、返事…｣

想いを告げられているのに一向にYESともNOとも言わない私を不思議そうに その人がこちらを見る

分かってる…言わなきゃ……っ

A｢ご…ごめ……んなさ…い、私…今は誰とも…っ｣

｢…今は誰とも(・・・・・)って事は、フリーはフリーなんだよね？

じゃあお試しとかでも良いからチャンス貰えないかな！？絶対 大事にするし…ね！｣ﾊﾞｯ！

A｢いえ…あの…っ｣

食い下がられて、腕を掴まれて必死に交際を懇願される

その勢いに負けてたじろぐけど、すぐに壁が背中に当たり逃げられないと気付く

どうしよう…皆遠くに居るから助けも呼べないし、せっかくの修学旅行に水を差すような事もしたくない…
だけど私一人じゃ振り解けない

｢勇気出して告ったんだ……｣

A｢…｣

そうだよね…告白って凄く勇気がいる

なら私も、ちゃんと同じだけの覚悟を持って応えなきゃ…

A｢…ごめんなさい、本当に…今は誰とも付き合う気は無いんです…｣

私の手首を掴んでる手に、そっともう片方の手を添えて今の精一杯を伝える

｢…どうしても…？｢おい…しつこい男は嫌われんぞ｣ﾄﾝｯ

A｢…！？｣

突然横から、相手の男の子の肩の方に手が伸びてきて私から引き剥がした

その手が誰の物かなんてすぐ分かって…

｢宇髄先生…！｣

その子は先生の止めが入るなり、告白現場を見られた恥ずかしさからか急いで走って人混みの中に消えていった

天元｢…大丈夫だったか？｣

A｢はい…｣

びっくりした…まさか宇髄先生が助けに来てくれるなんて思いもしなかったから

鼓動が早くなる私とは裏腹に、少し見上げてみた先生は 涼し気な顔を一切崩していなかった


…付き合ってる頃はやきもち焼いてくれてたのにな

天元｢班の奴らの所まで送るよ…｣

A｢いえ、大丈夫です。一人で行けます｣ｽｯ

天元｢おい…っ｣

私はそのまま先生の静止も無視して、足早に皆の元へ歩いて行った

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