君と描く物語１０

＃４７７ ページ27

梅side

パーッと遊んで男なんて忘れるわよ……なんて言ったけど…

A｢ありがとうカナヲ、これ使ってみたかったの｣

カナヲ｢私はもう使わないから…よかったら貰って？｣

A｢大事にするね｣

先生と別れてからのA…やっぱり元気ない
笑顔もまだぎこちない時あるし、無理…してんのよね…

A｢…？梅ちゃん、どうかした？｣

梅｢…なーんでもないわよ！それより…明後日から修学旅行だけど、大丈夫なの？｣

A｢大丈夫って…？｣

梅｢先生との事よ…担任だし、嫌でも先生との接触が多くなるんじゃない？｣

昼休みの中庭、周りに誰も居ない事を確認した上でAに問い掛ける

A｢…私は大丈夫だよ。皆が居てくれるし｣

アオイ｢A…｣

梅｢…｣

また…無理して笑っちゃって……

やっぱりAは、まだ先生の事好きなのよね
そう簡単に忘れるなんて出来るわけないか…

教室内で二人が顔を合わせる時、先生は私達生徒の前だからだろうけど…
Aは明らかに気まずそうに目を逸らしてるし

Aから報告を受けて以降、二人が会話を交わしてる所は一度も見てない


梅｢A…あれから先生とは…｣

A｢…まともに話はして無い…かな…

やっぱりまだ顔見るの辛くて…部活中も出来るだけ顔合わせずに居られる様に外に出てるし
先生も私と顔合わせるの嫌なのか、見回りとかも来ないから｣

アオイ｢…そっか……進路の事は？改めて考えたりした？｣

A｢うん…一応考えてはいるけど、やっぱり悩んじゃって

確かに一番の理由は先生と離れたくないって事だったけど、それでも…あんな凄い所じゃ埋もれちゃうかもって言うのも本当だから｣

そりゃそうよね

先生とお別れしたから、はい。じゃあ、あっちの大学に行きます とはならないか…

それに、先生に相談しようにも
担任は 別れたばかりで想いを引きずる元彼…


梅｢…ﾁｯ！何か腹たって来たわ…｣

A｢…！？ご、ごめん…っ｣

梅｢Aにじゃないわよ｣ﾑｰｯ

アオイ｢梅、顔怖いわよ…｣

梅｢ふん！｣

つーか…何でAが苦しんでる時に、更に地獄へ蹴落とす様な事が出来んのよ…

他の男に取られるのが嫌で、馬鹿みたいな勝負も買って出ちゃうぐらい好きだった相手じゃないわけ？

Aだって…先生の横に居る時が一番幸せそうに笑ってたのに……


考えれば考える程ムカつく…

でも……Aはまだ好きなんだもんね…


私達に…してやれる事は…

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