君と描く物語１０

＃４６２ ページ12

梅｢にしても、本当に上手い事揃ったわよね〜！Aに至っては担任までパーフェクトだったじゃない｣ﾆﾔｯ

A｢う…梅ちゃん…声が大きいよ///｣

梅｢大丈夫よ！誰も居ないって！｣

誰も居なくなった教室で、私達四人だけの声が響く
今日は部活が無いから、皆ホームルームが終わると直ぐにはけてしまって廊下まで静かだった

アオイ｢私達の学年は他校とのスケジュール調整の為に二年の内じゃなくて来月が修学旅行だし、修学旅行だけは生徒で自由に班組んでいいらしいから良かったわ｣

キメツ学園の修学旅行は、他校とのスケジュールやその年の授業カリキュラムに応じて
二年生の秋〜三年生の春にかけてのどこか三日間で行く事になっていて

姉達の代は秋だったらしいけど、私達は来月の頭に行く事になったらしい


今日のホームルームで、そのほかの資料と一緒に
修学旅行についての案内やしおりなども配られて、来週には班分けも決めるって言ってた


カナヲ｢楽しみだね！沖縄だっけ｣

梅｢そうそう！海 入ろうよ、海〜！｣

A｢ふふ…梅ちゃんはしゃいでて可愛い｣

しおりをぺらぺらと捲りながら、修学旅行を心待ちにする姿を見て笑顔になる

…けど、私は少し他の事が引っ掛かっていた
それは今日 しおりなどと同じタイミングで配られた ある用紙の事で……


ｶﾞﾗｧ…

天元｢あれ？お前らまだ残ってたのか…そろそろ教室閉めるぞ〜｣

教室の鍵を指に引っ掛けてくるくると回しながら、ひょこっと宇髄先生が顔を出した

カナヲ｢すみません…っ｣

アオイ｢もう帰ります！｣

天元｢おう、焦って忘れ物すんなよー…ん？修学旅行のしおり見てたのか？｣

梅｢めっちゃ楽しみ！｣

天元｢学生にとっちゃ一大イベントだしなー

でも、そればっかりに気を取られて 今日渡した他の提出物の期限 忘れんなよ

特に進路希望調査な…！今月末までにちゃんと出せよ？｣

A｢…っ｣

そう…私が気に掛かってる資料とは、その進路希望調査の用紙の事で…

今までは宇髄先生以外が担任だったから何とか誤魔化してこれたけど、今回は…

でも大丈夫…先生は私が県外の大学に見学に行った事すら知らないはず

このまま何も言わなければ…

梅｢私達は大丈夫よ！皆 大体 進路決まってるし

私達は 卒業しても地元組ばっかりだから安心だしね〜｣

天元｢…そ…っか、ならいいんだけどよ｣

A｢…｣

天元｢とりあえず、今日はもう帰んな。気を付けてな｣

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