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#10 ページ10

蜜璃side


誰も居ない静かな廊下…
少し進み右に曲がれば目的の部屋は直ぐそこ


私が今どこに居るかと言うと…

二年前まで毎日通っていた懐かしのキメツ学園敷地内…の、管理棟一階入り口にて職員室に侵入する為身を潜めております

目元は丸型サングラス、ベージュのチェック柄キャスケット
西洋に伝わる某名探偵を思わせるかの様な服装を身に纏い

何故 私がこんな格好をして、この場所でこそこそしているかと言うと…


Aが嬉しそうに美術部に仮入部をすると話してくれた
中学の時も入部が決った事を報告してくれたけど、あの時とは明らかに違うAの表情

三年前は何処か困った様な不安そうな笑顔だったのを今でも覚えている
そんなAが、昨日は少し照れ臭そうに笑って伝えてくれて凄く嬉しかった…


けど…

蜜璃「やっぱり心配なのよね…」

静かな廊下にぽつりと落ちた私の言葉

可愛くて優しい妹の周りには多くの人が惹き寄せられて、いつも誰かに囲まれているような素敵な女の子…私の自慢の家族だけど

それに反してどこか控えめで、あまり自分の主張を強くしない子だから
ついつい私が首を突っ込んでしまう事も多くて

もう小さな子供じゃないんだからとは思うんだけど…



「こら、そこで何してるんだ…不法侵入じゃないか」

蜜璃「!?ごめんなさい、決して怪しい者じゃ…!」

ぼんやり考え込んでいたら、突然背後から声がして驚き肩が跳ねる

急いで言い訳をしながら振り向くと、それは

蜜璃「小芭内さん!び…びっくりさせないで〜」

小芭内「びっくりしたのはこっちだ…こそこそしてる人影が見えて近寄ってみれば…

こんな所で何しているんだ?しかもそんな格好で」

呆れながらも、じゃがみ込んでいる私に手を差し伸べて立たせてくれた

小芭内「来るなら一言連絡くれればいいものを。Aに用か?もうすぐ三限が終わる頃だから呼び出す事もできるが」

蜜璃「駄目!Aには内緒で来てて。もし呼び出してもらえるなら別の人がいいんだけど…」

小芭内「別の人?」

蜜璃「実は…」



小芭内さんに呼び出しをお願いして、私は美術室で待つ事に


懐かしいな…大学とは違い、小さな教室だけど
当時の私には、この美術室はどこまでも続いてる様に感じるくらい広く見えてた


Aも、今日からこの部屋で沢山の時間を過ごしていくのね…



ガラァ…

扉が開く音が聞こえて振り返る

私が呼び出してもらったのは

天元「よ!久しぶりだな甘露寺」

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ラッキーカラー

あずきいろ


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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時

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