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体はふわふわするのに、不思議と腕も足も身体中が重くて動かせる気がしない…
やっとの思いで瞼を開くと、見慣れない天井が広がっていた
A「ここ…どこだろ…」
暫くして、道中で倒れてしまった所まで記憶が蘇ってきた
とすると、何処か医務室みたいな場所に運んでもらったのかな?
皆、今どうしてるのかな…私の事は気にせず楽しめてるといいけど
あれからどれくらいの時間が経ったんだろ
意識が朦朧とする中で、微かに右手に人肌の温もりを感じて目線を移すと
A「…!」
それは宇髄先生の左手が重なっているからだと気づいた
宇髄先生は私が横になっているベッドの傍に伏せて眠っているようでピクリとも動かない
A「側に居てくれたんだ…」
いつも髪に触れるだけの先生の大きな手が、今は私の肌に直接触れていて
嬉しくて思わず握り返してみたくなる
頭を撫でられる時、髪の毛越しにも暖かさを感じていたけれど
直接触れている今の方がもっと暖かくてどきどきする
少しだけなら…いいかな?
やっぱり手を握り返してみたくて、先生の人差し指の先を私の親指と人差し指できゅっと握り返してみる
子供が悪戯する時のような、くすぐったい気持ちに隠れて胸の奥がざわつく不思議な感覚
これが熱のせいなのか、そうじゃないかもわからないけど…
今はただ、何も考えずに宇髄先生に触れたくて抗えない
天元「ン…A…?」
A「…!///」ビクッ
先生が目を覚まして、むくっと体を起こし私を見た
天元「体調大丈夫か?あ、起きあがんなくていいから。道端で倒れたの覚えてる?」
A「はい…ここまで先生が運んでくれたんですか?」
天元「途中からな…いつから体調悪かったんだ?原因はわかってんのか?」
A「昨日、ちょっとした事故で水を被っちゃって…朝はなんともなかったんですけど、歩いていたらだんだん頭痛と寒気がし始めて…」
天元「どうせ我慢して山頂まで登ろうと思ってたんだろ…」
A「なんでわかるんですか…っ」
天元「はぁ…お前の考えそうな事だ。皆に迷惑かけらんないとか言って…それで倒れてちゃ元も子もないだろ…そんな所でまで我慢しやがって」
先生怒ってる…?当たり前か。もっと早く申告しとけばここまで悪化しなかっただろうし
先生にずばり当てられて、反論もできず申し訳ない気持ちでしゅんとしてしまう
天元「あ…悪ぃ、別に説教とかじゃなくて…」
A「…?」
天元「つまり…」
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時