そのままの君が好き【短編集】 (ページ7)

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天﨑滉平ページ7

【天﨑滉平×年上彼女×デート】

職業:会社員

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#天﨑side

やばいやばいやばいやばい。
今日は彼女とデートなのに、仕事が押してしまって既に1時間の遅刻。一応連絡はしたけど、帰ってたらどうしよう？！だって逆の立場だったら・・・いや、待つな。全然待つ。・・・じゃなくて！急がないと！
待ち合わせ場所のカフェまであと少し、と言うところで信号に捕まった。うーんと首を伸ばしてカフェの方を見ると、窓際の席からこちらに手を振る彼女がいた。もうわずかな信号の待ち時間さえ焦ったい。信号が変わると同時に、カフェまで走った。

天﨑「Aさん！ごめん！」

『大丈夫だよ』

彼女は笑いながら答える。あれ？僕、なんか変かな？

『信号待ちですごくそわそわしてたから、ちょっと面白かっただけ』

なぁんだ。
え？そんなにそわそわしてた？

『仕事お疲れ様』

天﨑「ありがとう」

『次の仕事は何時から？』

天﨑「ええと・・・」

おかげ様で忙しくさせて貰っているから、Aさんとのデートは仕事と仕事の合間に数時間会う、ということが多かった。こうしていつも最初に次の仕事の入り時間を確認してくれて、僕が遅れないように気をつけてくれる。

天﨑「18時から」

スマホでスケジュールを確認して、伝えると

『了解。じゃあここでゆっくりお喋りする？少し歩いてもいいかな。私はどちらでも』

天﨑「ここでお喋りしたいです」

『うん、そうしよう。滉平くん何にする？』

Aさんがメニューを差し出してくれた。それを受け取って、何を注文しようかとページをめくる。ちらり、とAさんを盗み見れば、こちらを見ていたらしく目が合ってしまった。思わず、メニューで顔を隠す。クスクスと笑い声がして、再びAさんを見ると、両手で包み込むようにコーヒーカップを持って笑っていた。その仕草も、笑顔も、すごく可愛い。

天﨑「僕やっぱりAさんのこと好きです」

『え？！』

コーヒーカップを持ったままフリーズしたAさんの顔がみるみる赤くなっていく。

天﨑「照れた顔も可愛い」

『・・・声出てるよ』

目も合わせないで、少し困った顔をしてAさんは言った。

天﨑「わざとです」

笑った顔も、照れた顔も、困った顔も、全部全部可愛い。全部全部大好きで、全部全部僕のもの。