そのままの君が好き【短編集】 (ページ1)

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下野紘ページ1

【下野紘×年下彼女×留守番】

職業:会社員

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#下野side

下野「ただいまー」

今日は彼女が家に遊び来る予定になっていた。合鍵を渡しておいたし、電気も点いているから、居るはずなんだけど・・・。

下野「Aちゃん？」

返事がない。
リビングへ行くと、ローテーブルに頭を預けて固まっている彼女がいた。これは・・・寝てるな。

下野「Aさーん？こんなところで寝たら風邪ひきますよー」

ふと見ると、彼女の傍らにはスマホが置いてある。そこからイヤホンのコードが伸びていて、それは彼女の耳に入っていた。音楽でも聴きながら寝落ちしたのかな。ちょっとした出来心で、彼女のスマホを覗き見た。
あ、ロックかかってないじゃん。不用心だなぁ・・・。
画面には【cv.下野紘】の文字。

は？え？は？

どうやら彼女は、俺がcvを務めるシュチュエーションドラマを聴きながら寝てしまったらしい。

いやいやいやいや、自分で言うのアレだけど、待ってたら本人会えるのに？
シュチュエーションドラマ聴いてたの？
なんで？え？なんで？？？

『ん～？』

下野「あ、おはよう」

彼女は目を覚ましたが、俺は彼女のスマホを握ったままだった。

『おかえりなさい』

寝起きのふにゃぁとした顔で彼女は言う。言ってから、俺が自分のスマホを持っていることに気づき、カッと目を見開くと、それはそれは物凄い勢いでそれを奪った。

『見ました？』

下野「見ました。ごめんなさい」

みるみる彼女の顔が赤くなる。

『あ、いや、これは、その・・・』

その反応が可愛くて、

下野「俺が帰るの待ち遠しかった？」

なんて意地悪く聞いてみたら

『はい』

と珍しく素直なお答え。普段なら『何言ってるの』とワンパンくらいしそうなのに。・・・ってことは。

下野「何かあった？」

彼女が驚いた顔でこちらを見た。どうやら図星だったらしい。

下野「どした？」

ん？とAちゃんの顔を覗き込む。

『仕事でちょっと嫌なことがあって』

彼女のその瞳に涙をいっぱいに溜めて話す。Aちゃんは強がりだからな・・・。立ち上がり彼女の後ろへ回り込んだ。