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-昇降口・side 千世-
大吾くんが来るのを待っていると、スマホが鳴る。相手はAだった。
千世「もしもーし」
A「ねぇ千世。一度決めたことを取り消したらさ、これから先も自分との約束を守れない人になっちゃうかなぁ」
千世「ふ〜ん。それってつまり、一度は恋を諦めようとしたけど、時間がたってやっぱり好き！って思い始めてるってことかな？」
A「何でわかるの？」
千世「何年親友やってると思ってんの？」
A「･･････あたし、恋してる」
千世「･･････うん」
A「どうしたら良いのかな」
千世「うちらJKだよ？考え変わるのなんて当たり前じゃない？」
A「そうなの？」
千世「昨日決意したAより今日のAのが成長してるってこと！昨日の未熟なAが決めたことなんて捨てていいんだよ」
A「あたし、恋していいのかな？」
千世「･･････イイ！」
A「千世ぇ」
千世「Aの幸せを一番に願ってる。Aの恋がうまくいったらお祝いしようね！」
A「･･････うん」
千世「A、あたしの方も応援してね」
A「え？」
千世「うん、実は昨日ね―」
反対側から大吾が歩いてくるのを見つける。
千世「ごめん！後で電話する！！A、自分の心に嘘ついちゃダメだよ！もしさ、ウチら2人ともうまくいったらさ、ふふ。ダブルデートしよ！」
A「だ、だぶるでーと？」
千世「お互い、初恋うまくいくといいね！じゃね！」
Aとの電話を終え、ドキドキして家庭科室まで歩いていく―。
-プールサイド・side A-
電話が切れる。
A「は、初恋？･･････ありがと千世」
あたしの手には1枚の原稿用紙
『彼は、彼女のことを忘れてしまう。〜』と書かれている。
A「･･････」
逃げても逃げても追いかけてくるなら
そして、原稿用紙に手をかけ、細かく破り捨てる。
この気持ちから、逃げることをやめよう
風に流されていく原稿用紙。
A「･･････大吾。好き」
風が気持ちよかった。心が軽くなった
-家庭科室・side 千世-
家庭科室の扉を開ける。
材料の入った袋が置いてあるが、彼の姿はない。
千世「あれ？トイレかな？」
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作者名：Cornet | 作成日時：2021年11月6日 1時
