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イヤホンをつけた部長とあたしは作業しているふりをしてAの様子をちら見する。
Aは一点を見つめて放心している。
部長とあたしは目を見合わせる。
有薫「先輩、A先輩」
A「･･････ん？何？」
有薫「昨日、良いことあったんじゃないですか？」
A「ど、どうして！？」
有薫「だって今日めっちゃ元気じゃないですか」
晴留「･･････」
A「なんで？何もないよ！」
有薫「またまたぁ。大吾さんと、何かあったんじゃないんですか？」
A「･･････」
絢子「･･････」
有薫「付き合うことになったとか！？」
部長とあたしは反応してしまった。
A「な、何言ってるのかよく分からないよ！」
有薫「昨日大吾さんがね、特定の誰かにパンケーキ作ってあげたいって思ったのは、Aさんが初めてだって！もしかして初恋？キャァ〜！」
A「･･････！」
有薫「好きとか言われたんですか？」
A「･･････」
有薫「ぶっちゃけどうなんですか？良いじゃないですか教えてくださいよぉ〜今なら先輩方も聞いてませんし。あぁ〜これで2人が付き合うことになったりしたらあたし―」
Aが机をバン！と叩く。
A「うるさい」
有薫「･･････」
A「･･････何で、何で余計なこと言うのよぉ。いっぱい考えて、やっと自分の気持ち吹っ切ったのに。好きなんて気持ち忘れて、これまでみたいに楽しくやっていこうって決めたのに」
有薫「･･････」
A「そんな気持ち知りたくなかった」
有薫「ごめんなさい、その･･････」
部長とあたしがAを見ると、Aが部長とあたしを見る。
A「もうヤダ」
Aは走って出ていく。
有薫「･･････」
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作者名：Cornet | 作成日時：2021年11月6日 1時
