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-校庭のベンチ・side A-

万年筆を手でもてあそんでいると、千世がやってくる。


千世「ごめんお待たせ〜、ゲッ耳かき」

A「・・・・・・」





千世「本が書けなくなった!?」

A「全然集中できなくて。夜も眠れないし、食欲もないし、胸が苦しいし、今朝もボーッとしてて車に轢かれそうになった」

千世「えぇー、ちょっとしっかりしてよ」


千世はあたしのおでこを触って熱をはかる。


千世「熱はないね」

A「・・・・・・おかしいなぁ、嫌いとかじゃないんだけどなぁ」

千世「??嫌い?」

A「あ、うん。こないだ男の子の新入部員が入ってきて、その人のこと考えると胸がキューってなるの」

千世「・・・・・・」

A「ベッドに入っても、気づいたらその人の顔が思い浮かんできて目が冴えちゃうし。ほら、嫌いな人の顔が寝る前に浮かんでくるっていうでしょ?」

千世「・・・・・・」

A「でもあたし人のことあんま嫌いにならないし、あの人のこと別に嫌いとかじゃないからおかしいなぁって」

千世「・・・・・・逆だよ」

A「ん?」

千世「Aはその人のことが嫌いなんじゃなくて、好きなの!」

A「・・・・・・いやいやいや」

千世「夜眠れないのもご飯食べれないのも胸が締め付けられるのも、ぜーんぶ恋したときの症状!」

A「またまたぁ!そうやって無知な私を騙そうとしたって・・・・・・」

千世「一つテストをします。目を閉じて」

A「えぇ〜(と言いつつ閉じる)」

千世「そうそう、そして彼との最後の会話を思い浮かべて下さい(Aの目を手で覆い隠し)」

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作者名:Cornet | 作成日時:2021年11月6日 1時

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