Page.18 ページ18
・
-校庭のベンチ・side A-
万年筆を手でもてあそんでいると、千世がやってくる。
千世「ごめんお待たせ〜、ゲッ耳かき」
A「・・・・・・」
千世「本が書けなくなった!?」
A「全然集中できなくて。夜も眠れないし、食欲もないし、胸が苦しいし、今朝もボーッとしてて車に轢かれそうになった」
千世「えぇー、ちょっとしっかりしてよ」
千世はあたしのおでこを触って熱をはかる。
千世「熱はないね」
A「・・・・・・おかしいなぁ、嫌いとかじゃないんだけどなぁ」
千世「??嫌い?」
A「あ、うん。こないだ男の子の新入部員が入ってきて、その人のこと考えると胸がキューってなるの」
千世「・・・・・・」
A「ベッドに入っても、気づいたらその人の顔が思い浮かんできて目が冴えちゃうし。ほら、嫌いな人の顔が寝る前に浮かんでくるっていうでしょ?」
千世「・・・・・・」
A「でもあたし人のことあんま嫌いにならないし、あの人のこと別に嫌いとかじゃないからおかしいなぁって」
千世「・・・・・・逆だよ」
A「ん?」
千世「Aはその人のことが嫌いなんじゃなくて、好きなの!」
A「・・・・・・いやいやいや」
千世「夜眠れないのもご飯食べれないのも胸が締め付けられるのも、ぜーんぶ恋したときの症状!」
A「またまたぁ!そうやって無知な私を騙そうとしたって・・・・・・」
千世「一つテストをします。目を閉じて」
A「えぇ〜(と言いつつ閉じる)」
千世「そうそう、そして彼との最後の会話を思い浮かべて下さい(Aの目を手で覆い隠し)」
124人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Cornet | 作成日時:2021年11月6日 1時