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-プールサイド・side A-
原稿を読もうとする自分と読みたくない自分が戦っている。
A「はぁ」
「悩んでんの？」
A「うん、ちょっと。！！！」
慌てて振り返ると、西畑大吾がいる。
A「帰ったんじゃなかったの？」
大吾「忘れ物取りにきたら、君が見えたから」
あたしは原稿を彼と逆サイドに隠す。
大吾「それ、新作？」
A「え！あいやまだ全然未完成だけど」
大吾「どんな話なん？」
A「･･････あたしもわからない」
大吾「作者なのに？」
A「･･････一つ聞いていい？」
大吾「うん」
A「小学校のとき好きだった子の名前は？」
大吾「う〜ん。好きって気持ち、よく分からへんのよね」
A「･･････」
大吾「それがどないしたん？」
A「あっ、じゃあ、これまでで一番悲しかったことは？」
大吾「う〜ん。あ、お母さんに買ってもらったハンドスピナーを1日で壊したこと」
A「一番痛かったことは？」
大吾「屋上の雪かきして、落ちて腕折ったときかな」
A「裏設定カンペキ･･････」
大吾「裏設定？」
A「あ、いやなんでも」
大吾「俺も1つ聞いてええ？」
A「うん」
大吾「何に悩んでんの？」
A「それは言えない」
大吾「俺には3つも聞いたくせに」
A「質問の重みが違うよ」
大吾「･･････」
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作者名：Cornet | 作成日時：2021年11月6日 1時
