▽ ページ44
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約一年後 現在
カーテンの隙間から漏れた日光の眩しさに意識が呼び覚まされる。
ボーッとする頭でベッドサイドの時計を見れば、時刻はまだ8:07を示していて。
(あと30分は寝れるな…)
そう思い寝返りを打って枕に顔を埋めた。
しかしふと、自分の隣で寝息を立てる彼女の存在に気付く。
毛布を頭までスッポリと被って、自分の丁度お腹の辺りに頭を寄せる彼女。
広臣は、ちょっとした悪戯心で その毛布をめくってみた。
「──…、──、」
そこには、胎児のように丸まって寝息を立てるAの姿。袖が長すぎて指が先っぽしか出てないグレーのトレーナーは、広臣の物だ。
ふにふに…
広臣は 枕元に頬杖をついて、触り心地の良いほっぺを指でつついてみた。
「……」
しかし反応はない。
一度ぐっすり眠ると滅多なことじゃ起きないのがAである。
目の方に掛かった髪を耳にかきあげ、顔がよく見えるようにしてみる。一年のうちにAの髪の毛はまた セミロングくらいの長さにまで伸びていた。
(ヨダレ垂れてるし)
スッピンでも申し分ないほどのきめ細かい肌の あどけない寝顔に光る一筋。広臣はそれを見ても穏やかな顔を崩さない。
しばらく小さなその寝姿を眺めていると、突然ふいにAが自分の方にもぞもぞと擦り寄ってきて、…薄っすらと目を開けた。
(めずらしい…)
普段なら俺が起こすか目覚ましが鳴らないと起きないのに。
「……」
広臣「ん？」
眠気まなこでボーッと自分を見上げてくるAに 首を傾げる広臣。すると彼女は、
「──おみ、さむい…」
広臣「……」
どうやら毛布を捲られたことがお気に召さなかったらしい。少しだけ眉根を寄せて 一層身体を縮こませる。
広臣「ごめん」
再び目を閉じた彼女に届いているのかは分からないが、短く謝罪を述べて 再び彼女の頭の上までスッポリと毛布を被せた。
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だまちん(プロフ) - 君さがと出会ってから1年以上経ち、今でも読み返しにきてしまいます。こんなにステキな作品と出会えて幸せです。これからもいつでも戻って来れるようこの場所を残し続けてほしいです。これからもまた読み返しにきたいと思います。 (2020年5月30日 5時) (
レス) id: 8a5088eca9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃー姉(プロフ) - 今日やっと全部読み終わりました。色々考えさせてくれた作品です。ほんとに素敵な作品をありがとうございます。これからも何度も読みたくなる作品です。 (2019年11月12日 15時) (レス) id: 96c5207447 (このIDを非表示/違反報告)
ありゅ - 何度も読み返させて頂いています。酸素か水かの決断、結ばれなかった恋、その他にも素敵な場面がたくさんあります。大切にしたいものが増える度に誰かが傷つき、それでも全てを愛していく香椎ちゃんの人間性が素敵です。また是非戻ってきていただきたいです。 (2019年2月11日 18時) (レス) id: 21044cbbfc (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - 今日一日で全部読ませていただきました、、、もう言葉に表せないくらい胸がいっぱいになるステキな作品でこの作品に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました（；＿；） (2018年12月28日 3時) (レス) id: eae9c1c1ca (このIDを非表示/違反報告)
夏みかん 愛媛産 - 未だ、とまと野郎さんを変える人はいません。今後も現れるとは思いません。それほど好きで楽しみでっていう作品でした。ほんとに、よめてよかったなと思います！！執筆中は鬱陶しいことしてくる人もいたそうですが書き上げてくれたことに感謝しかありません！ (2018年12月18日 6時) (レス) id: 787ef1c30b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年3月7日 2時
