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「冬物語のリリースを最後に私は三代目での全活動を休止して、海外に行こうと思っています」
突然の話ですいません。という前振り付きで紡がれたその台詞に、メンバーの動きがピタリと止まる。
健二郎「なんて…？」
その後の第一声は健二郎で、Aは彼の方にまっすぐ視線を向けた。
健二郎「冗談やんな？」
「冗談じゃないです」
健二郎「っ、なんでやA、お前自分が言ってること意味わかってんのか！」
「わかってます、」
バンッ！
隆二「わかってねえだろ…」
テーブルに置かれてた歌詞カードの上を思いっきり手の平で殴った隆二。すぐ側で突然起きた音にAはびっくりして肩をすくめそうになったが、なんとか堪えた。
隆二「俺たちこれからまた、色々始まってくんだろ。なのに活動休止って…んだよ海外って、どんな理由があってそんな事できんだ。自分勝手過ぎんだろ、なあオイA！」
「っ、自分勝手は百も承知です。でも今が、そのタイミングなんです」
隆二「はあ？！承知してれば許されると思ってんのかッ？訳わかんないこと言ってんじゃねえぞ…！」
直己「隆二！待て、まだキレんな。座って」
怒りのあまり立ち上がり、すぐ隣に立っていたAに詰め寄る隆二を直己が必死に止めている。だけど隆二の勢いは収まらず
隆二「俺は許さねえぞ、タイミングだぁ？そんなあやふやな理由付けたってなあ、納得なんか出来るわけねえんだよ！」
直己「おいちょっと 本当待てって」
「HIROさんが、！」
隆二「HIROさんがなんだよ！あ゛？お前に海外行けって言ったのかあの人が、んなわけねえだろ！」
直人「隆二ッ！」
直己「一旦落ち着け、お前がそんなんじゃAも言いたいこと言えないだろ」
隆二「なんでこいつにだけ言いたいこと言わせるんですか、皆だってAに言いたいこと…」
直人「そりゃあるけど、まずはAの話最後まで聞かないと そんな頭ごなしに反対したってAを力ずくで押さえつけるだけだよ」
隆二「っ、だけど！」
広臣「隆二…」
振り切れてしまった怒りを収めることが出来ず なおも何か言いたげな隆二に、広臣が低く声をかける。見れば、無言で首を横に振る彼。
広臣はちゃんとAの話を最後まで聞きたいらしい。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年1月29日 16時
