君をさがしてた。episode4 …2 (ページ8)

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曲が2番に差し掛かると、Aも直己と同じように自然と目を閉じていた。

(伝わるかな…)

離れ離れになる私と三代目を心で繋ぐ曲になってほしい。
もしメンバーとファンの皆が私を必要としてくれているなら、この曲が少しでも皆の支えになってくれればいい。

“もうすぐ今年が終わる冬物語

過去と未来を繋いでる今が

悲鳴をあげたとしても心配しなくていいよあなた

優しい言葉なんかで伝わらないよ

凜とした強さで伝える

生温く愛して居たいわけじゃない

今ここに誓うんだ Because of you”

長い間不安定な輪にしがみついていた私達だったけど、いろんな事があってやっとその絆を固めることが出来た。
そんな過去からまだ見ぬ未来へを繋ぐ …私が活動を休止する事で悲鳴をあげるだろう、今。

でもそれは必ず明るい未来に繋がる試練だと信じてる。
大丈夫、私の心にはいつでも、どんな形でも、三代目があるから。

登坂さん…もし貴方が私と同じ気持ちで居てくれているなら、心配しないで。

私達に生温い愛は許されないから。
もし三代目を燃やし尽くすほど貴方を愛せたなら…、そんな私を求めてくれるなら、その時は必ず貴方だけの物になるよ。

♪ーーーー…

音がフェードアウトしていき、目を開ける。
あーこの感じ、NEVER ENDを書き上げてプロデューサーに聞かせた時と似てる、そう思ったA。
あの頃と心境はだいぶ違うけど。

隆二「もう一回聞かせて」

「あ、はいっ」

曲が終わった瞬間隆二が誰よりも早く第一声でそれを言って、皆が息を吐くのがAにも伝わった。
正直何より早く感想を聞きたかったが、誰も今の隆二に逆らう者はいない。

しかし、オーディオに近寄ってきたAにすぐ側に座っていた直人が優しい声色で言ってくれた。

直人「Aらしくて凄く、いい歌詞だと思う」

「あ、ありがとうございます」

直人「ギリギリまで待った甲斐があったかな」

「いや本当…こんな時間かかっちゃってごめんなさい」

直人「ははっ、リリースまで忙しくなりそうだね」

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