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数十分後
健二郎 直人 広臣 直己 ELLY 隆二の順で残りのメンバーも揃って、皆テーブルを囲うように椅子に座りAに視線を送っている。
(もう、不安は見せない)
ただ少し、剛典にだけは見せてしまったが それもさっきの彼の言葉がだいぶ落ち着かせてくれた。
(大丈夫、全て上手くいく)
そう自分に言い聞かせ、鼻から大きく息を吸い口を開いた。
「ギリギリまでお待たせしてしまってごめんなさい、新曲のリリックが仕上がりました」
「「「おお〜」」」
Aの言葉に拍手をして湧くメンバー。
歌詞カードを一人一人に配り、ウォークマンをオーディオに繋ぐ。
直人「冬物語かぁ〜 季節ぴったりじゃん」
「覚えやすい題名にしたくて」
直己「ほおー」
直人「いいね」
直己「いいっすね、」
ELLY「字綺麗だよね」
剛典「思った。上手いってゆうより読みやすい」
「そこ？ちゃんと歌詞読んでよ」
剛典「読んでる読んでる」
隆二「……」
広臣「……」
健二郎「…ズズーッ、あーやばい ティッシュ」
広臣「俺持ってますよ」
健二郎「あ、大丈夫や 鼻セレブあんねん」
3人並んで特に集中して歌詞を食い入るように読んでいた隆二広臣健二郎。
秋の花粉症に苦しめられている健二郎が、カバンの中からティッシュと点鼻薬を出してシュッシュとしたタイミングでAが、
「じゃあ、流しますね」
そう言って ウォークマンのプレイボタンを押した。
…ーーーー♪
曲の伴奏が流れ始め、Aは静かに席へと戻る。
歌詞カードを左手で軽く持ち 視線は真剣な顔でデモテープを聞いてくれているメンバーへ。
隣の剛典はひたすら歌詞カードに視線を落として動かず、その更に隣のELLYは微妙に体を揺らしながら もう既に振り付けの構想を考えたいるのだろうか。
健二郎は頭を軽く振ってリズムをとり、広臣の様子も剛典と変わらず。隆二は口を軽く動かしてる様子から 小さく声に出して歌詞の情景を頭に思い描いているのだろう。
直己は目を瞑って曲に集中していて、隣の直人はAと目が合うと軽く口角を上げて微笑んで見せた。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年1月29日 16時
