君をさがしてた。episode4 …2 (ページ41)

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番外編③-3 ページ41

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直人「どこまで身勝手なんだよ…」

剛典「っ、」

直人のそんな言葉にピクリと反応したのは剛典。しかし何か言おうと口を開くより先に、健二郎が動いた。

健二郎「ちゃうんっすよ直人さん…」

直人「ん？」

健二郎「A、他に好きな人が出来ちゃったんです」

「「えっ、」」

剛典(まさかA、健二郎さんに言っちゃったのか？！)

直己「す、好きな人がいるから諦めてくれって？！」

健二郎は首を横に振る。

健二郎「そんな風には言われませんでした。でも…好きやから、誰よりもAの事見てた。

そしたらある日、あー A、あいつの事好きなんやあ…って気付いてもうて」

剛典「…いつから？」

健二郎「いつからやろ。丁度一ヶ月前くらいかなぁ」

剛典「(俺が気付くより前だ…)っ、なんでその時もっとAの気引こうとかしなかったんですか？！

あいつの気持ちが他行きそうなの分かってて呑気に見守ってたんですか？！」

突然食いかかるように声を荒らげた剛典に健二郎は苦笑いを漏らして。

健二郎「ホンマ、なんでやろな」

力の抜けたような短い返答。

直人「その相手は、誰？」

健二郎「…言わなあかんですか？」

直人「……」

健二郎「ハハ、冗談です。

ーー臣ですよ、臣」

直己「…、！」

直人「まじかよ…」

おそらくその相手は健二郎にとって、一番そうであって欲しくなかった人。結ばれずとも両想いの彼らを目の当たりにした彼の気持ちは、痛いほど想像できた。

それに…

直人(だから下手に動けなかったのか)

健二郎にとって広臣は、恋敵である前に家族同然の大切な仲間。Aだって勿論そうだ。

大切な2人相手にドロ沼の三角関係を繰り広げるのだけは絶対に避けたかったに違いない。

直人(どんだけ優しいんだよ…)

いつもどんな時でもAの事を考えて行動できる健二郎らしい決断だとは思った。でも、そんな彼にこそAを幸せにして欲しかったと思う直人がいる。

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