君をさがしてた。episode4 …2 (ページ31)

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直人「直己ー、送ってって！」

直己「いいっすよ。ELLYも乗ってけ」

ELLY「ありがとうございますっ」

剛典「あ、俺も乗っけてってくださーい」

直己「いいよー」

健二郎「Aは俺の方乗って行きや」

「はい」

23時すぎ、シャワーを浴び終わってスタジオで大胆に着替えながら帰り支度をするメンズ。Aはキャミソールにホットパンツ一枚で肩にタオルをかけ、胡座をかきながら鞄の中をごちゃごちゃ漁っていた。

剛典「何探してんの」

「くし」

直己「貸そうか？」

「え。」

直己「え？」

「…あ、もうちょっと探してみます」

あ、そう。とキョトン顏の直己を囲む他のパフォーマーは必死に笑いを堪える。

剛典(なんで遠慮したんだよw)

ELLY(うまく言えないけど気持ちわかるw)

直人「じゃー、俺ら先行くよー？」

「あ、すいません。お疲れさまでした」

健二郎「お疲れ様ですー、また明日！」

直己の車で帰る組の4人が出て行って、スタジオには健二郎とAの2人きりになった。

(剛典絶対気使ってくれたんだ…)

朝はいつも健二郎がAと剛典の家に迎えに行き、帰りもその流れで健二郎に送ってもらうことが多い2人。

それなのに今日わざわざ直己の車を選んだのは、Aが健二郎に「話をする」と言ったからだろう。無責任に引き止めることは出来ないとは言ったが、こうゆうさり気ない気遣いがAに決心をさせるのだ。

「待たせちゃってごめんなさい」

健二郎「気にせんでええよ、くし見つからん？」

「いつもポーチに入れてるんですけど、チャック壊れちゃったみたいで中身ごちゃごちゃ…あ、あった！」

ほら！と鞄から取り出したくしを健二郎に見せれば、良かったなぁと優しい笑顔の彼。それを見てAは途端に顔を逸らす。

「か、髪の毛乾かしてきます…！」

健二郎「？おお、行ってらっしゃい」

パタパタと出て行ったAに疑問符を浮かべながらも

健二郎(ええ匂いしたなぁ)

風呂上がり女子最高！と呑気に顔をにやけさせる健二郎であった。

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