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健二郎「だけど置いて行かれるのは辛いで」
「……」
健二郎「Aも辛いだろうけど、俺らの辛さも忘れんでな」
「はい…」
健二郎「っ、A…」
「？」
健二郎「…いや、なんでもない」
直人「…2人は？」
隆二「……」
無言で首を振る隆二。
どうしても納得がいかないようだ。
広臣「俺は…」
コンコンッ
広臣が何か言おうとしたとき、打ち合わせ室の扉がノックされる。
ガチャ
大木「…わるいな、時間だ。これ以上は待てないからAは直ぐに出てくれ。隆二と臣も10分後に駐車場集合で 取材行ってもらう」
「あ、はい」
入ってきたのはマネージャーの大木。
第三者の介入によって、その場の空気が少しだけ緩んだ。
隆二「っ、はー…」
広臣「……」
直人「臣言いかけてただろ」
広臣「あー、大丈夫です」
直人「ん、そうか。とりあえず皆時間が必要だな、直己は？」
直己「……」
「……、」
大木「A、早く」
「は、はい…あの」
直己「行っていいよ」
「、すいません…！」
バタバタとカバンに荷物を詰めて剛典とELLYの後ろを通って出口の方に足早に向かうA。
直己「、A！」
「はい…！」
扉の外へ姿が消えそうになったAを、意を決した直己が呼び止める。
直己「納得出来ないこともある。でも、お前の愛情はしっかりと受け止めた」
左胸に拳を当てて頷く。
「あ、…」
直己「今言えるのはそれだけだ」
「…ありがとうございます」
直己「しっかり仕事、こなして来い」
「っ、はい。行ってきます！」
しっかりした声で返事をして部屋を飛び出たA。途端に流れ出た涙をグイッと腕で拭って、廊下を全力で走り抜けた。
運命の1日 前編 完
image song『Good-bye days』/ YUI
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年1月29日 16時
