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「登坂さん…」
広臣「俺だってまだ納得できてねーよ。」
広臣がAを見る目は優しいものじゃなくて、気持ちは他のメンバーと同じようにやり切れないような Aの身勝手さに呆れたような。
それでも自分が愛した女の子は、仲間や大切に思う人達を無下にするような子ではないと信じていたいから。
広臣「だから納得させてみせろ」
お前の決意が固いなら、この詞にあるように。
広臣「凜とした強さで」
メンバーの思いの強さに負けるな。
「「「……」」」
彼の言葉を聞いて Aの目に強い力が宿る。
その雰囲気をメンバー全員が感じ取っていて、皆静かに彼女の言葉を待った。
「私はね、今の私を作り上げてくれた全てへ 誠実に向き合いたい。
ATSUSHIさんがくれた音楽にも、AKIRAさんに助けられた私の命にも、HIROさんが示してくれたエンターテイナーとしての道も、その先に出会えたかけがえのない仲間たちにも」
(メンバーと分かり合えるようになるまで、ずっと側で支えてくれていた親友にも…)
「そして特に私に強い愛情を向けてくれているファンには、それ以上の想いを持って接したいと思ってる。
だけど…今の私はまだ未熟で、何かある度にブレそうになる」
直人「そうかな…Aはここに居る誰よりブレない気持ちでやって来たように見えるよ」
「ありがとうございます。確かに今まではそうだったかもしれない、でも今は少し違うんです
三代目としての私を揺るがすような感情が、私の中に芽生えてしまった」
健二郎「どんな感情、？」
「……」
言えない、どうしようもなくズルいけど、それだけは言えないよ。
「わかりません…
その気持ちの正体を見つけ、どう向き合っていくかを 考えたいんです」
直人「俺たちの側でそれは叶わない？」
「そう、私1人で…」
隆二「またそこに戻るのか？」
「……」
隆二「お前一人、三代目のステージから降りて、…今度こそ独りぼっちになる不安はないのかよ」
「…正直、その不安に押しつぶされそうになります
だけど 今の私たちを繋ぐのは歌やダンスだけじゃないですよね？
気持ちで分かり合えなかった時に私たちを繋いでいたものが同じステージで奏でる音楽なら、この身が離れ離れになったとき 私たちを繋ぐものは…心しかない」
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2015年1月29日 16時
