防犯意識 ページ22
その時、ドアががちゃん、って開く音がして心臓が飛び跳ねる。
え！何！怖い！
心臓バクバクさせながら玄関見たら、お帰りになったはずの加藤さんが普通に靴脱いで入ってくるところだった。
ご丁寧に、鍵とドアガードを閉めてる。
「はいどうも」
「……びっくりした」
「何の用？」
「……はい？」
人んちに入ってきて「何の用？」っておかしくない？
「さっき電話してきたじゃん」
「……しましたけど」
え？さっきの電話で来てくれたってこと？
でも本当にすぐなんだけど？
どういうことだ？
混乱してたら、加藤さんがちょっと眉間にしわ寄せて言った。
「……Aの防犯意識どうなってんの？いつも鍵開けたまま風呂入ってんの？」
そう言われて固まる。
何を言ってるんだ？
「……さっき、もしかしてAが追っかけてくるかなって思って玄関で待ってたんだけど」
「え」
「そしたらさ？鍵を閉める気配のないまま、水音したんだけど！Aさっさと風呂入ったでしょ？鍵閉めてないのに！」
「…………」
「もう逆に気になるわ、一体いつ鍵閉める気なのかなって」
「…………」
「んで、電話が来たからちょっとドア開けてみたら開いたよね」
怖い！
「加藤さん怖い」
「いや俺も怖いわ！いろんな意味で」
加藤さんはため息つきながらダイニングの椅子に座った。
「……電話、なんの用だった？」
「……いや……加藤さん何考えてたかなって」
「さっき？」
「うん、怒ってるかなって」
加藤さんは目を逸らして、ふって笑った。
「怒ってはないけど、傷ついてはいるよ？あと、Aっておもしれえなって思ってた」
「……意図してないので嬉しくないんですけど」
「意図してないってことはAの本質なんだね、きっと。頑なで融通きかないとこだよ？」
「……悪口……！」
「あと何故か急にめっちゃ鈍感だよね？感じ取れないタイプじゃないのに」
「……」
「あ、私の世界を死守するためなら私がしぬ！みたいなとこもちょっと意味わかんない」
「……」
あまりに私すぎる指摘にぐうの音も出ないので黙る。
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ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
