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私がいろいろと考えて微妙な顔してたせいか加藤さんが眉間にしわを寄せて聞く。
「……どした？」
そう聞かれて、ごまかせなかったのは、酔ってたからだと思う。
そうか、私、終わるのが怖いんだ。
「……加藤さんのテーブルになっちゃうじゃないですか」
「なんでよ、別になんないでしょ」
「なっちゃいます、買った時も加藤さんがいたし、今椅子まで組み立てたらぜったい思い出になっちゃう。何かあった時、私はきっと手放さなくちゃいけなくなります」
加藤さんは床にしゃがみこんで電動ドライバーを組み立てようとしていたのだけど、私の言葉を聞いてこちらを見上げている。
零れ出した言葉たちは、せき止められずに私の思考からするすると離れていく。
あらら、って意識の外側から他人事みたいに思う。
「……でも何もないか、付き合ってるわけじゃないんだから、別に終わりはこないのか。あれ？そうだよ、そもそも私んちに椅子が１脚で何故加藤さんが困る？」
加藤さんはグーにした手を口元にあてて、こちらを見て笑っている。
「笑う！そうやって！」
「いやごめんなさいね？可愛くて」
「可愛いとか言う！そうやって！」
「なんだよ、イヤイヤ期！」
「だってわけわかんないんだもん！」
「逆に何がわかんないのかわかんないわ、すきに決まってるでしょそんなもん」
「そんなもん？」
加藤さんはついに吹き出して、くすくす笑いながら立ち上がる。
「繰り返す所そこなんだ？」
つい繰り返したけど、確かにそうだな。
その前も聞き捨てならなかったな。
立ち上がった加藤さんは、立ち尽くしていた私の目の前に来て、左手をこちらに伸ばした。
「……伝わってない？」
加藤さんは、小首を傾げて左手を私の頬に添える。ふんわり触れられて、ちょっとくすぐったい。
「隠してないんだけど」
「……何をですか」
「俺がAをすきなことと、Aが可愛くて仕方ないこと？」
甘い声で囁くみたいに言う。
心臓がぐわんぐわん騒いでるけど、まだそこまで苦しくはない。甘ったるくてあったかい。
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ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
