女子会 ページ12
その日、業務が終わって図書館に着いた時、加藤さんが私の頭をぽんぽんしながら「慰労会は体調戻ってからね」って言った。
社交辞令じゃなかった！
って静かに思った。
言わなかった。
「Aに社交辞令言ってどうすんだ」とか言われるから。
その真意を問いただすことはできない。
図書館に戻ったら、あかりとゆかりちゃんが私を待っていてくれた。
「今日はAの話を聞く日！明日は休館日！」
「大丈夫、パジャマは持ってきたし、歯ブラシもあるから！」
って、私んちに来てくれるってことか！
２人は途中コンビニでたくさんお酒やおつまみやお菓子を買って、私の家に来た。
テーブルはダイニングしかないからそこに山盛りのお菓子たちを置いて、座るとこがないから、みんなでベッドに腰掛ける。
ソファーが必要になった！加藤さんの言う通りだ！
ここ数日の私の混乱の日々を２人に話して聞かせたら、にやにやキャーキャーしたあと、一緒に混乱してくれた。
「要するに何も告白とか口約束とかはないけど、添い寝はしたんだね？」
「要するにちゅーとかえっちなことは何もないけど、添い寝はしたんだね？」
「……添い寝……しました……」
「ヤダー加藤さんてばー！」
「キャー！」
話してたら、昨日感じた絶望的な気持ちはだいぶマシになっていた。
あかりが意を決したみたいな顔をして言う。
「……こんなこと私から聞きたくないかもしれないんだけど、なんかA自意識拗らせてて時間かかりそうだから言うね」
「……え……何！こわい！」
急に胸がズキズキ。
あと自意識拗らせてるってなんだよう。
「あのね、加藤さんね、彼女はいない」
「……は？」
あかりは大きな瞳を私に向けたまま、「おとといAの代わりに移動図書館行った時に聞いたんだけど」と付け足した。
「あの幼なじみさんとは今付き合ってない。仲がよさそうだった時期のことも聞いたけど、付き合ってたかどうかも微妙って言ってた。そもそも付き合うとは？とか言っててそれは無視した、知らんがな！」
「そもそも付き合うとは？」って言ってる加藤さんが想像できてちょっと笑った。
「知らんがな！」って顔してるあかりも想像できて笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 366人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「NEWS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺんぎん(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。お話の中の一人一人が丁寧に描かれていて、ほんとうにほんとうに素敵です。これからも応援しています。 (2020年3月4日 1時) (
レス) id: f15aa4c564 (このIDを非表示/違反報告)
すもも - 完結おめでとうございます！いつもこっそり拝見しておりました(笑)じぇにさんの作品はどれもひらがなと漢字の使い分けが絶妙で、ニュアンスがとっても丁寧に伝わってくるところが大好きです。新たなじぇにさんの作品に出会える事を願いつつしばらくこの作品に浸ります。 (2020年1月28日 23時) (レス) id: 7bc6073c03 (このIDを非表示/違反報告)
もか - いつも楽しく拝読しております！主人公ちゃんの不安や怖がりな部分と、それでも弱いだけだったり気持ちが揺らいでるわけではない芯の強い部分がようやく報われたような気がして、このまま幸せになってほしいと感じました、、これからも楽しみにしています！ (2019年12月28日 0時) (レス) id: 729ed0c340 (このIDを非表示/違反報告)
あやぽにょ - やっとですね（；＿；）よかった、、、！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: f2bcd42dc1 (このIDを非表示/違反報告)
yume.(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく読ませて頂いてます！増田くんのストーリーから読んでいて、この物語は主人公ちゃんの名前を若菜にして読んでるのですが、加藤さんの幼馴染の名前を自分にしたくて名前の設定を増やして貰えませんでしょうか、、、？ (2019年12月15日 19時) (レス) id: 28edb9fce5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2019年11月5日 21時
