君とめくる次のページ３(SK)

後ろ姿 ページ28

次の日。
カウンター代わってもらったあと返却本戻して、そろそろ帰れそうかなって時間。
加藤さんはもう帰ったかな。


ワゴン押してちんたら戻る途中、久しぶりに見たその人に、胸がざわざわする。

加藤さんの幼なじみさんが、半袖のTシャツ着て、いつものテーブルで書き物してた。


思わずこそこそ隠れる。


ここでこそこそ隠れたりしないで、挨拶でもすればまた違った展開になったのかな。
でも加藤さんがどんな顔したかな、って考えると胸が苦しくなってしまう。



仕事を終えた加藤さんが幼なじみさんに近づく。何か声をかけて、幼なじみさんがカバンにファイルをしまったあと、微妙な距離を保ったまま、ふたりは図書館を出て行った。
加藤さんがちょっとキョロキョロしているように見えたのは気のせいか。



隠れたまま、しゃがみ込んだ。



あれ？

全部夢だった？



事務室に戻ったら、あかりが私のとこにきてヒソヒソ言った。

「あれ？Aどこいたの？加藤さん探してたよ？帰っちゃったけど」
「一体なんの用だろう……」
「用がなくても探すでしょ、つきあってんだから」
「……つきあってんのかな」

私の様子に、あかりが眉をひそめる。

「……あれ？またなんかあった？」

ふたりで話してたら、ゆかりちゃんが事務室に入ってきて、私たちのとこに駆けつけた。


「……A、加藤さんと今日会う約束してる？」
「ううん、今日飲み会だって言ってた……」
「あ、だからか。わかった」
「何？」
「ところで今日みんなでごはん食べに行かない？たいちゃんから連絡がきてね」
「たいちゃん？」
「あ、藤ヶ谷くん。みんなで行こーって」


ゆかりちゃん、いつの間にか藤ヶ谷くんと仲良くなってる。

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