《6/20完結》君の嘘、僕のウソ【N.K 0617BD】 (ページ16)

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「私なんかでいいの？」

カズの瞳に私が映る。

「まだ私がカズに本気じゃないって分かってるんでしょ？」

まやかしの瞳に映る私もまたまやかし。

人を見る目が人一倍長けているカズのことだ。
フリをしてるなんて気づくのはきっと時間の問題だろう。

「…それでもいい」

ソファーの上でギュッと抱き寄せられた体温は

「いつか絶対本気で惚れさせてやるから……」

……いつにも増して、甘く、熱く、力強い。

きっとその言葉を鵜呑みにして
みんな騙されてきたんだ。

"本気で惚れさせてやる"

あんなに甘く言われたら
誰だってそりゃ惚れてしまう。

……まぁ、私はこれから惚れる"フリ"しなきゃだからね。
嘘だって分かっててもここはカズの気障なセリフ、真に受けてあげる。

「…わかった。じゃあ教えて？本気の恋っての。」
「ふ。任しとして。」

アンタの…何だっけ？
とろけるような甘い恋の魔法、っての？
かけてちょうだいよ。

オとして

オとして

オとすとこまでオとして、

私の心の奥底に眠ってる恋心を目覚めさせてみてよ。

きっと…いや

アンタの手じゃ無理だと思うけどね。