《6/20完結》君の嘘、僕のウソ【N.K 0617BD】 (ページ14)

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「昨日、私に何したの？」
「…ん？」
「昨日私に何したのって聞いてんの！」

少し震える声でそう尋ねれば

「さぁね…」

ってシラを切り通そうとするカズ。

今日初めて絡み合った視線は、カズによってすぐに逸らされた。

「今までこんな痕つけたことなかったのに…」
「……そー、だっけ？」

……そう。こーゆう関係になってからコイツが私に見せるのは性の欲、たまに金欲、そして心のない愛の言葉。

体にシルシを残すなんてゆー独占欲みたいなのは今まで見たことがなかった。

…そこで何となく感づく。

あぁ。そろそろ私のことオとしにかかってるのかな。って。

何の理由もなくこの家に置こうとするのも、普段と違う態度を見せるのも。
きっとそのためだ。

カズが外したボタンをササッとかけ直すと、かばんを持って、無言で玄関に向かう。

カズはソファーに座って無言でスマホをいじってるみたいだ。

「買い物でも行くの？」
「……」
「行くんなら、ひき肉と玉ねぎ買ってきてよ」

後ろからのんきな声が聞こえるけど、聞かないふりして足を進める。

「あのさぁ、帰るつもりなら無理だよ？オレ、Aん家の鍵持ってるもん」

え…？

その言葉にピタッと足が止まる。

慌ててかばんの中を漁るけど、いつも入ってる場所に鍵は見当たらなかった。おまけに私のスマホも。

そのままその場で振り返ると
カズの目線はスマホのまま。

何考えてんの、アイツは。

何よからぬこと企んでんの？