strawberry candle (ページ4)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:11,562 hit

・ページ4

『涼介…一緒に学校、行こ？』

私がそんな事を言い出したのは私が一番驚いた

「は？お前何言ってんだよ…俺は入院してんだぞ？笑」

茶化すなよとでもいうかのように言葉を返す涼介

『一緒に行こうよ、文化祭…ね？』

「…３カ月先…だったよな…お前んとこの文化祭」

涼介は私から視線を逸らし、窓の外を見てから一言こう言った

「俺は行けないよ…」

何も言えなかった

涼介がとてつもなく我慢しているのを感じたから

『…ッ…ごめんね…』

「…謝らないでよ…嬉しかったよ、誘ってくれて…ねえ、泣かないで？」

涼介の手が頭に乗る

すごく温かくて優しい手

「…俺さ、３カ月後が一つの山なんだ…この病気が暴れる８つ目の山」

『涼介ッ…ねえ、病気って…』

「…亜急性硬化性脳炎…ゆっくり徐々に徐々にこの体を蝕んでいくんだ…」

声が震えているのが分かった

『涼介ッ！』

きつく涼介を抱きしめた

消えてほしくない

ずっと傍にいてほしい

お願い…消えないでよ…

「A…大丈夫、大丈夫大丈夫」

細い腕が伸びて頭を撫でる

涙が零れた

「お前、そんなに泣いたらせっかく可愛い顔台無しになっちまうぞー笑」

笑っていられる涼介が羨ましい

私にもその強さがほしい

その晩、ふとネットで涼介の病気を調べた

ゴトッ＿＿＿

亜急性硬化性脳炎

病状が進行すると共に記憶能力、運動能力の低下…自発機能の停止

自発機能…呼吸、心臓の動き、生きるのに最低限の機能

それが…止まる？

『涼介は…このままだと死んじゃうの…？』