家族ごっこ ページ26
母「ほら、コートをかけてあげる」
父「今日から私の事はパパと呼んでくれ、な?」
『はい…宜しくお願いします』
この男の人も、女の人も
「風ちゃん」と呼ばれていたお兄さんも
皆みんな、笑っていた
風「ちょっと付いて来て?」
お兄さんに手を繋がれて階段を上った
風「ここ、何の部屋だと思う?」
見せられた部屋は
すごく冷たかった
机と椅子だけが置いてあって
傷だらけだった
赤いシミもついてた
『…分からない…です』
風「そっか…ここはね…教育部屋だよ」
お兄さんは微笑んでいった
ドンッ
『ッ!?』
カチリ__
風「今日から俺が、お前の指導係…ね?」
違う
こんなのママとパパはしない
帰りたい
ドアを叩いた
何度も叫んだ
お兄さんに「開けて」ってお願いもした
誰も、私の声を聞いてくれなかった
風「…で、気は済んだ?
分かってると思うけど、君のご両親はもう死んだ
これからは、菊池Aになるんだよ
菊池家に恥じない振る舞いを教えてあげる
俺が教えられたのと同じように…ね?」
背中を押されて椅子に座らされた
分かった
この傷は…赤いシミは
お兄さんのものなんだ
カチ__
首に重たくて冷たいものがつけられた
風「…逃げるなよ…?」
目の前に沢山の本が積み重ねられた
これ…今からやれって事なんだよね
その日
お兄さんが首のやつを外してくれた頃には
私の体は傷だらけになってた
新しい赤いシミが机にいくつもついてた
____夜
私はまた走っていた
暗い街中に唯一明かりが点いている建物
あれ…あの日の…お兄ちゃん?
崩れそうな足を必死に動かした
『お願いッ!助けて!!』
「…A!?おいッ!!」
傾く体をフワッと受け止められた
そこで、意識は途切れた
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
萌(プロフ) - Chika02170217さん» ありがとうございます〜(*'ω'*)頑張りますね! (2019年12月14日 13時) (レス) id: da80cfc829 (このIDを非表示/違反報告)
Chika02170217(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください! (2019年12月7日 15時) (レス) id: bc6b2eccee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:萌 | 作成日時:2019年10月17日 16時