strawberry candle

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涼介side
俺だけだと思ってた



Aの事にここまで干渉してくるヤツ



Aの両親は幼いAを残して天国に行ってしまった



あまりにも昔の事だから、Aも覚えてるのは両親の名前くらい



俺のばあちゃんがAの親代わりだった



でもそんなばあちゃんも体が不自由になって、今は俺だけがAの家族だ



なのに…なのに…



教育実習生だ?



廊下を進んでいくとさっきのとは違う教育実習生が立っていた




重「…えらいびしょ濡れやな、屋上にでも出とったん？」


山「だったら？」


重「いや、なんでもえーけど

　 Aさんのこと、しばらく俺らんとこにおくことになったから」

山「…見ず知らずの相手が急に俺の大切な子を連れて行くの許せるわけないでしょ？」

重「…俺は重岡大毅、もう一人が小瀧望

　 …Aさんには保護者がおらへん

　 病院に入院させんのもNG、一人で帰らせるのもNG

　 消去法でそうなっただけやから…あ、小瀧、説明終わったから帰るで」

重岡の視線の先

意識を失い全身の力が抜けきった状態のA

そんなAが小瀧の背中に預けられてた


山「…ゎ…な」

重「ん？」

山「触んなッ！！！

　 どうせそうやってまたAを裏切るんだろ？

　 責任持てねえくらいなら最初からやんなッ！！！！」


Aを小瀧から奪って抱きしめた

Aは何度も傷ついてきた

施設に入って、里親が見つかるのにそう時間はかからなかった

だけど本当の愛は見つけられなかった

だれもAの家族にはなってくれなかった

その度に傷つくAを見て来た

俺とばあちゃんで信じられないくらいの涙を受け止めて来た


今度は、もう裏切らせない

俺は、Aの家族だから

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