・ ページ26
「ロー、まだ寝てないの？」
「ん」
声を掛けながら近寄っていくと、ローは自分の隣にポンと手を置いた。
座れ、とそういう事だろう。
お望み通り隣に座ると、ぐいっと身体を引かれて、唇が重なる。
すぐに離れたけど。
「ふふ、どしたの」
「本来はお前と二人だったんだぞ」
「拗ねたのか」
「拗ねてはねェ」
ぎゅ、とローの腕に包み込まれて、私もそれに応えるように腕を回した。
拗ねてんじゃん。可愛い奴め。
「そろそろ寝よ。目しぱしぱしてきた」
「そーだな…」
んー、とローの肩に顎を乗せると、隣で彼が大きなあくびを溢した。
さっきまで枕投げしてたから疲れたんだろう。眠そうだ。
二人で部屋に入ると、エースたちが各々、てきとうに敷いた布団の上に寝転がって雑魚寝していた。
私たちの布団にも足がのっかっている。
「もー、布団くらい被んなさいよ…」
やれやれと呆れながら、起こさないように彼らを丁寧に直した布団の上に寝かせてちゃんと布団をかぶせる。
エースとサボくんは割と寝相は良いほう。ルフィくんはえげつないほど暴れる。ので彼は一番端っこだ。けど明日起きたら多分部屋の端っこまで転がってるんだろう。
ローも手伝ってくれたけど、三人の男の子らを運ぶのは、力のない私には結構きつくて、ふう、とため息が零れた。まったく、世話の焼ける。そう思ってみんなの顔を眺める。
そしてぶさかわいい寝顔を見て全てを許した。うん、やっぱこの子ら世界一かわいい。
ローは部屋の端っこに寄せた布団の中に入って、横になっていた。
私も寝よう、と隣の布団に入ろうとすると、
「A」
ローは私に手招きをして、布団の半分を空ける。
一緒の布団で寝たいってか。
「しょーがないなぁ」
そう言いながらも、かなり嬉しい私。
にやける口を押さえながら、自分の枕をひっつかんで、ローの隣に体を滑り込ませた。
いつもは自分の部屋のベッドで寝るから、敷布団で寝るのは久しぶりで、しかも隣にローがいるもんだからソワソワする。
こそばゆいような、心地いいような、ちょっと恥ずかしいけど嫌じゃない感覚に包まれて、口角が上がっていく。
結構気持ち悪い顔してるなぁ、という自覚はあったので、誤魔化すようにローの胸元に顔を押し付けた。
その晩は夢を見ていたような気がするけれど、眠りが深くて内容は覚えていなかった。
でも、幸せな夢、だった気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弥生(プロフ) - 星蘭さん» ありがとうございますー！ きゅんきゅんしてもらえてめちゃ嬉しいです！ (2021年2月2日 8時) (
レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
星蘭(プロフ) - めっちゃ面白いです！もうずっと読んでたいくらい！胸きゅんとニヤけが止まりませんでした……。応援してます！ (2021年1月31日 19時) (レス) id: e03eae3599 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - チョコレートコスモスさん» やったー！ ありがとうございます！ 励みになります…がんばります！！ (2021年1月30日 12時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレートコスモス - イメージの国と花が出てきて設定細かいなって思いました！この作品読んでもっとロー好きになった…というか弥生さんが書くローがめちゃ好き…更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年1月29日 0時) (レス) id: 3dca2c4bf3 (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 架印�靴気�» 確かに九州は本州から離れてるので遠いですね…小さい頃のことってなかなか覚えてないですよね。些細なことは覚えてたりするのに、不思議です笑 (2021年1月27日 15時) (レス) id: b916418063 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弥生 | 作成日時：2021年1月18日 0時
